♯5 ページ6
あっという間に、ライブの当日。
「これは…見事にガラッガラって感じだね。お客さんらしき人、何人？」
『…9人だな。キャパ3000の会場が泣く人数だ。』
「相変わらず毒舌だね。君らしい感想ではあるけど。」
開演の丁度10分前に到着した海と尊を待っていたのは、見事にガラガラの…明らかにキャパがあっていないライブ会場。
それぞれ思い思いにコメントをし、基本的に自由席であるのか…どこも空いている為、何処に座ろうかなどと話していると…
前方から大きく手を振る男がいた。
海がこの会場に来るきっかけとなった男であり、これからライブをするアイドルグループが所属する事務所の社長…
『小鳥遊 音晴』である。
こちらへ来いというジェスチャーをしきりに送る音晴に応え…ゆっくりと近付いていく。
そうすると彼は心底嬉しそうに微笑み、海と尊にサイリウムを差し出した。
「来てくれてありがとう、海くん。友達も誘って来てくれるなんて、気合い入ってるね！これを使って僕らと一緒に10人分の応援をしよう！」
『…興味があるから、とついて来ただけだ。誘った訳じゃない…。』
弱小だと言われる部類の事務所とはいえ、社長である音晴に対しても…その対応は何処までも冷たく素っ気ない。
そんな海の姿に尊は苦笑し、サイリウムを受け取りながら海の隣に座り…軽く挨拶をはじめた。
「はじめまして。海くんの高校時代からの友人で…億邑 尊と言います。海くんの様子が気になったので付き添いに来ています。」
「億邑…あぁ！あのホールの管理人さんのお孫さんか。どんな理由であれ、あの子たちのことを見に来てくれてありがとう。」
「いえ。海くんの言った通り、興味もありましたし…。」
軽くIDOLiSH7という…海が加入予定のアイドルグループの話題に触れながら。
尊は口に出している通り、��自分の��という言葉を付けるくらいには海のことを好いているし…大事に思っている。
それ故に、海の食生活を心配して…本人が嫌がる中、彼が住むアパートに通い詰めまで面倒を見てきたし…
彼が唯一弱音吐いたり、相談したり出来る場所であろうとつとめてきた。
だから、海が音楽というものをどれだけ愛しているのかも知っているし…歌というものでどれだけ傷ついたのかも知っている。
だからこそ、そんな存在である音楽を海が仕事とする時…そばにいて共に仕事をする人を見極める為にも尊は来ていた。
海がもう、傷つかないように。
尊の視線にも誰もが気付かないまま…
ついにライブがはじまる。
黙って席に着く海の瞳は、静かにステージだけを見据えていた。
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月(プロフ) - キャベツの芽さん» はじめまして！コメントありがとうございます！尊くんもちゃんと受け入れられていて、大好きだと言ってもらえる程だと知れて安心しました！本当にありがとうございました！ (2019年5月24日 17時) (
レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
キャベツの芽(プロフ) - 初めまして|´-`)ﾁﾗｯ海くんも尊くんも大好きです！！これからも楽しみにしております！！ (2019年5月24日 14時) (レス) id: 270caf8b44 (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - Suiさん» コメントありがとうございます！これからも海くんのことを温かい目で見守ってくださればと思います。 (2019年3月26日 23時) (レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
Sui - 続きがすっごい気になります!更新頑張って下さい！ (2019年3月26日 21時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
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