♯24 ページ25
何故、あの時…海は歌いたいとそう思ったのか。
陸の一緒に歌おうと誘う手を…以前のように断れなかったのか。
あろうことか、承諾すらしてしまったのか。
その理由を…海は正直、ハッキリとは分からないでいる。
今まで、海はピアノを通して音楽には触れてきたが…自分が幼い頃から愛してやまなかった、歌とダンスは自分自身の意思で禁じ…封じてきた。
��自分は幸せになってはいけない��。
��自分が、自分の好きな歌やダンスをやる資格などない��。
そう自分自身に言い聞かせて。
それなのに、あの夜…海は今まで出来ていた制御が出来なかった。
衝動的に、彼等…IDOLiSH7に合わせ歌ってしまった。
自分の思うがままに。
それは…決して、海がして許されることではなかったのに。
でも…そんな自分を許そうとする悪魔のような自分が、海の中には確かにいた。
ステージの上で、心底幸せそうにパフォーマンスをする兄を羨み…
そうなりたいと願う自分自身を止めようとしない自分が。
海は、そんな自分がいることを許せない。
今でも、そう思っている。
けれど…
「海にぃ…！ありがとう！これからは一緒に頑張ろうね！」
そんな自分がいるお陰で、今まで一度だって笑顔に出来なかった…もう1人の最愛の兄弟を笑顔にできるなら…
悪くない、と海は結論付けた。
一度、歌うと言ってしまったからには…もう歌うしかない。
自分を許せないまま、中途半端に歌うことをもっと自分は許せないし…
天もきっと許さない。
そう…思ったから。
朝日に照らされ…海は、随分と長い夢を見ていたという感覚と共に…目を覚ます。
昨日の体調不良の影響が、未だ軽く残っており…怠さは抜けず、頭痛はまだ引いていないが…
目覚めは心なしか悪くはなかった。
しかし…
『…ここは、いったい…。』
海は困惑する。
目覚めた場所が自分が暮らしているアパートの一室でも、幼い頃過ごした実家の自室でも、ある時世話になった尊の実家でもない…
見慣れない場所だったからである。
よく自分を見てみれば、自分は見知らぬ誰かのパジャマに着替えさせられているし…
枕元には、今まで自分の額を冷やしていたものであるらしい濡れタオルが転がっている。
どうやら、自分は今まで誰かに看病されていたらしい。
この、見知らぬ部屋で。
「お、起きたのか。おはよう、海。」
そんな、自分の状況を確認した直後…
『…和泉、三月…？』
「良かった、昨日よりは調子良さそうだな。」
海はすぐ、自分のいる場所を知ることになるけれど。
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月(プロフ) - キャベツの芽さん» はじめまして！コメントありがとうございます！尊くんもちゃんと受け入れられていて、大好きだと言ってもらえる程だと知れて安心しました！本当にありがとうございました！ (2019年5月24日 17時) (
レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
キャベツの芽(プロフ) - 初めまして|´-`)ﾁﾗｯ海くんも尊くんも大好きです！！これからも楽しみにしております！！ (2019年5月24日 14時) (レス) id: 270caf8b44 (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - Suiさん» コメントありがとうございます！これからも海くんのことを温かい目で見守ってくださればと思います。 (2019年3月26日 23時) (レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
Sui - 続きがすっごい気になります!更新頑張って下さい！ (2019年3月26日 21時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
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