♯25 ページ27
海が目を覚ました場所は、IDOLiSH7のメンバーが共同生活を送っている寮で…
自分の様子を見に来てくれたらしい三月の案内で、海は、自分用にと用意された一室からダイニングへと連れ出された。
「あ、海にぃ!起きたんだね!おはよう!具合、どう?昨日はすごい熱だったんだよ?」
「いきなり倒れた時はびっくりしたけど、少しは良くなったみたいだね。昨日より顔色が良いよ。」
今日はライブを行う予定もないらしい。
海がやってきたことに気付き、声をかけてきた陸と壮五を含むIDOLiSH7のメンバーが、全員そこに集まっており…
それぞれ、思い思いの時間を過ごしているらしかった。
しかし…三月に聞き、さらに陸などにも言われ…自分が倒れてしまったのはわかったが、何故…自分がこの寮に運び込まれているのかさえよく分からず…
海はどうするべきか、とあたりを見渡す。
「あ、海。お前はこっち座れよ。お前、昨日の夜から何も食べてないだろ?腹になんか入れねーと尊に飲ませてくれって言われた薬も飲ませられねーし…飯にしようぜ。」
すると、それに気づいたらしい三月がキッチンの前に立ち…海の体調を気遣いながら食事を提案してくれた。
『…食欲が、あまり…ない。』
しかし、海は元々食が細く…体調がマシにはなったものの、あまり良くはないために食欲がないのだろう。
残してしまっても悪いと、食事はいらない…とやんわり意思表示をした。
「そっか。でも、薬飲まねーとよくなんねぇしな…飲みやすい、あっさり野菜スープ作ってあるんだ。それも無理そうか?」
「…昨日、お前をここまで運んで帰ってった尊に頼まれてんだ。食事だけはしっかり摂らせてくれって。だから…ちょっとだけでも頑張ってみねーか?」
しかし、三月もまた…海の体調を気遣って少しでも食べられるように、と食べやすいものを提供しようとしてくれる。
自分をここまで運んだという尊が、また自分の知らないところでなにかと動いてくれていたことが影響しているらしい。
そんな2人の気遣いを無下にできる海ではなく…
『…少し、なら。』
残してしまったら申し訳ない、と思いつつ…用意してくれたものを食べることにする。
「おう!海、偉いぞ。残しても怒ったりしないから、無理しない程度にな。」
『おっおい…!…子供扱いするな…!』
すると、三月が花開くように笑って…海の頭を撫でてくれた。
照れ臭くて、海はやめてくれと言ったが…
心が温かくなっていく感覚だけはしっかりと感じていた。
165人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月(プロフ) - キャベツの芽さん» はじめまして!コメントありがとうございます!尊くんもちゃんと受け入れられていて、大好きだと言ってもらえる程だと知れて安心しました!本当にありがとうございました! (2019年5月24日 17時) (レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
キャベツの芽(プロフ) - 初めまして|´-`)チラッ海くんも尊くんも大好きです!!これからも楽しみにしております!! (2019年5月24日 14時) (レス) id: 270caf8b44 (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - Suiさん» コメントありがとうございます!これからも海くんのことを温かい目で見守ってくださればと思います。 (2019年3月26日 23時) (レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
Sui - 続きがすっごい気になります!更新頑張って下さい! (2019年3月26日 21時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ