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#003 ページ3

・STORY ONE




起きてください。起床のお時間ですよ?

と、眉を寄せて眠る彼に声を掛ければ、

掠れた声で不機嫌そうに声を漏らし、
まだ起きたくないと私に伝える様に布団を頭まで被る。


それをさせないのが私のお仕事だ。




「左馬刻さん、後2時間もすれば舍弟さんが来ますし、早く朝食を食べないとお味噌汁が冷めてしまいます。」




そう言って暗闇に閉ざされた部屋に光を遮るカーテンを開けると、外から覗くのは太陽の光。
流石の彼も太陽の光が眩し過ぎた様で、ゆっくりと目を開き、燃える様に紅い瞳で私を捉える。




「…はよ」

「はい。おはようございます左馬刻さん。」

「おー…」




と目を確り開く為に数回瞬きし、彼は何時もありがとな、そう言いながら私の頭を撫で洗面所に向かって行った。…あー言う人がモテる男です。皆さん覚えておきましょう。


朝から少し顔が熱くなった私はその熱さを忘れる為に乱雑に放り投げられた布団を畳み彼を追う様に部屋を出て、リビングに着くと既に彼は朝食に手を付けていた。


…相変わらず眉の距離は変わらないままだけど、黙々と朝食を食べて、時々これうめーな、って言ってくれて、この一言を聞くと朝食を作って良かった!とか、次はもっと気に入ってもらえる様に頑張ろうと思えるのだが、




「これ、味薄い。」

「…左馬刻さん、それ今までで1番濃くしたんですよ」

「…」

「…左馬刻さん…」




偶に発動する彼の味覚音痴に少し困っています。












家政婦日記

碧棺左馬刻は偶に味覚音痴を発動する事があるので、要注意。

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作者名:赤雛 | 作成日時:2019年8月10日 23時

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