96 MIORI ページ46
ｰミオリｰ
彼女はそうやっていつも私達の空気を明るくしてくれる。口数の少ないアヤや私では間が持てない場面というものはしばしばあって。
その都度助けてくれるのはいつだってナナだった。
弱音を吐きたいとき、彼女は冗談の様にそれを言う。どんなにきつくても、笑って、楽しくしてくれる。
いつだって、元気をくれる。
ﾅﾅ「ったくやっぱみおちゃんに言われた時、ちゃんと話聞いとけば良かった〜。
炎上商法なんて、ちょっと考えれば分かるのにね。あんな若い子が、私なんか好きにならないか〜。」
へへ、と笑うナナに胸が痛む。
もう一発、あの男を叩けば良かった。
アヤ「…無理、しないでくださいよ。」
泣きそうな声でアヤが言う。
アヤ「なっちゃんが苦しいの嫌です。」
ﾅﾅ「…ウリマンネや〜。泣かないで〜。」
相も変わらずへらっとアヤの頭を撫でるナナ。
涙を堪えているのはよく分かった。
「恋をしたら、何も見えなくなるの。だから、ナナはあのとき、間違ってなかった。」
ﾅﾅ「…なに、言ってんの。私、皆に迷惑かけたんだよ…？
やめとけって言われたのに、押し切って。
で、結果は二股かけられてた。ううん、そもそも相手の目的は売れる事だった。
ばっかみたい。本当にっ…ばかじゃん…。」
ﾐｵﾘ「バカじゃない。ナナは馬鹿じゃないよ。ファンに誠意を見せた。無理しないで。もう、誰も見てない。
あなたが強がるべき相手は、もうここにはいない。」
ﾅﾅ「みおちゃんっ…」
一筋、彼女の頬に涙が伝う。
それを合図に次々とこぼれ落ちる雫。
ﾐｵﾘ「大丈夫。私とアヤは、あなたを守ってあげる。辛い時は、強がらなくて良いの。
頼っていいの。私たちは、そうやって生きていくの。」
ﾅﾅ「ううっ…うん。
好きだったのっ…すごくっ…
誰に反対されてもっ……この人と一緒にいたいってっ…、そう、おもってたぁっ…」
ﾐｵﾘ「うん。」
ﾅﾅ「バカぁっ、、、ドユルのばかっ…」
泣きじゃくるナナを、アヤと2人で抱きしめた。
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作者名：あやテテ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ayatae00/
作成日時：2021年3月29日 11時
