【RKRN】音【綾滝】

足音　　七日前 ページ8

平滝夜叉丸が死んだ。

一ヶ月経った今でも信じられない。

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二人して大泣きした夜の事。

『あれ』は聞こえてきたのです。





ひた、ひた、と。足音が。




(厠に誰か起きたのだろうか)

最初のうちは気にしていなかったが、段々と不気味さをおぼえた。

そもそも此処は忍者の学校なのだ。そんな足音を立てるものなどいない。


───────でも、足音(それ)は確実にこちらに近づいてきていた。



ひた、ひた、ひた...

　



─────体が動かない。





ひた、ひた、ひた、ひた...





部屋の障子の前まで来るとそれは止まった。







入ってくる、





そう思った時、勢いよく飛び起きました。

(夢か...)


気づけば朝だった。間抜けな夢を見たものです。


机の上には見慣れた達筆で、置き手紙が置いてありました。

『他の奴らに挨拶してくる

二度寝はするなよ

布団はたたんでおけよ

すぐ戻る』


こんな内容だったと思います。


律儀に僕の制服まで出して。

あの夢のせいか体が冷えていました。

(あんな夢、怖かない。気にしてもしょうがないさ)

だって僕には、滝がいるもの。




あの時僕は本気でそう考えていました。

滝がいれば───────────

でも今になって後悔しているのです。あの夢は、あの夢こそ、

いや、あの足音こそが、


滝夜叉丸を、ぼくの大切な親友を殺した、と。









─────────平滝夜叉丸がいなくなるまで、あと六日。

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