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雨音 前編 視点:滝 ページ1

ザ────────────────

急に降りだした。さっきまで五月蝿いくらいに晴れていたというのに。

私は洗濯物を取り込まなければいけないのだが、何故だかやる気が出なかった。

  今日は動きたくない。

さすがに雨で冷えてきたのか、くしゃみを一つする。

  上を着るか。

といいつつ着るのは面倒だったので学園指定の羽織を適当に羽織った。

私が今までこんなに怠惰で在った事は無かったと思う。

何せこの平滝夜叉丸、教科の成績も一番であれば─────、

いや、今はそれさえもめんどくさい。

私は考える、今の私は平滝夜叉丸ではない、別の誰か、別の何か────

少し楽になった気がする。

「入ってこい」

私は天井を仰ぎながら障子に呼びかけると、向こうから返事が聞こえた。

「なんで...なんでわかったの」

「おや、最近の障子は返事をするのか?」

わざと悪戯めいて言ってみる。

すると障子が開き、見馴れた顔が入ってくる。

「なんでそこにいるってわかったの」

同室の綾部喜八郎である。

「雨が降ってきたからな、帰ってくると思ったんだ」

「そう」

奴はまだ何か言いたげだったが、それ以上は何も言わなかった。

「何故入ってこなかった?」

「...」

いつもこうだ。何か問題が起こる度にこいつはだんまりだ。

「黙ってちゃ何もわからないぞ」

こいつの紐を解くのはいつも面倒なのだ。

「なぁ、何かあるなら話してくれ」

すると。

ぼろりと喜八郎の目から涙が零れ落ちた。

「...滝夜叉丸は、酷いよ」

「何がだ」

違う。

「人の気持ちも知らないで」

頼む。

「わからない、教えてくれ。」

言わないでくれ

「...自分の...せいで...わけ...じゃないか...」

「喜八郎、もっとはっきりと喋りなさい。」

聞きたくない

雨音 後編 視点:綾→


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和服教信者善法寺@保健(プロフ) - Parallel(ゾンビ)さん» (コメントありがとう私はそんなあなたが大好き) (2018年2月4日 0時) (レス) id: 108cb2d3e4 (このIDを非表示/違反報告)
Parallel(ゾンビ) - 綾滝......こころがぐしゃってされた......(とても好きですありがとうございます大好き) (2018年2月4日 0時) (レス) id: 222c42db20 (このIDを非表示/違反報告)
和服教信者善法寺@保健(プロフ) - やきもちまゆさん» わっしょい!!!! (2018年1月28日 12時) (レス) id: 108cb2d3e4 (このIDを非表示/違反報告)
やきもちまゆ - 綾滝わっしょい!!!! (2018年1月25日 23時) (レス) id: d19b1e571f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:和服教信者善法寺@保健 | 作成日時:2018年1月23日 23時

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