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旅人さんの【閲覧注意】 ページ4

Aはとっさに店のカウンターの裏に隠れた。

カウンター裏から誰が来たのか探ろうとしたが、店内は暗くうまく顔を見ることができない。

その時、訪れた者が呟いた。

「...ここに来るのも久しいな」

寂しげな、沈んだ声。
それは低く、若い男性の声だった。

そして、Aはその声に心当たりがあった。


何故、ここに人形師が来ているのだ...!?


彼は、呪術のせいで宗教都市に入れないはず。

なのに、なんで。

体に震えが走る。
ガチガチと歯は音を鳴らし、鼓動は速くなる。

店内が静かな分、その2つの音が五月蝿くてしょうがなかった。

彼に感づかれてしまう。
抑えなければ、と思うほどその音は大きくなっていくような気がした。

コツコツコツ...と彼は店内を歩き回っている。

足音が近くなったり遠くなったりして、その度に鼓動や呼吸は乱れていった。

「...ん?」

彼の声が疑問を示した。

幸い、彼はカウンター裏から見える位置にいた。

そっと物影から彼を見た。

「フフッ...アハハハッ...」

突然、店内に響く乾いた笑い声。

彼は、Aが吐き出した嘔吐物を見て笑っていた。

その上、あろうことか彼はその嘔吐物に指で触れたのだ。

そして、嬉しそうな笑い声をあげた。

彼の息は獣の様に荒い。
心なしか興奮しているように見える。


「暖かい...暖かい暖かいっ...!
これ、旅人さんの...!旅人さんの...!!」


いくら美形でも気持ち悪い。
人の嘔吐物を見て、それに触れて、興奮している。

Aは思わず目を閉じ、見るのを止めた。

そして、物影に隠れ直す。

なんで嘔吐物を見てそれに触れただけでAのだと分かるのだろうか。
それに名前が書いてあるわけでもないのに。

Aは口に手を当てて、吐き気を何とか堪えようとする。

本当は手で耳を押さえたかったのだが、吐き気には代えられなかった。

「...んっ」

人形師の低く、艶かしい声。

冷や汗がAの頬を伝う。
見てはいけないと分かりつつも、好奇心が勝り、Aは物影から視線を動かして彼を見た。

「たびひ、とさん、たび、び、とさ、ん...」

そして、Aは即座に見るのを止めた。


彼は、Aの嘔吐物に触れてそれを口に含み、反対の手で自身の下半身の猛りを慰めていた。


頬は紅潮し口からはだらしなく涎を垂らして、旅人さんと繰り返しAを呼んでいた。

まるで、Aに聞かせるように何度も何度も。

Aは違う意味で動くことができなかった。

それから人形に【閲覧注意】→←アトリエ



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(´・ω・`) - めちゃめちゃ面白かったです!読み応えありました!フロートチャート楽しみにしていますね♪( *´艸`)ウフフ (7月29日 17時) (レス) id: 8c2421ccaa (このIDを非表示/違反報告)
メリア - ゆうえんちの小説も書いてほしいです! (7月23日 7時) (レス) id: 3bc89f1424 (このIDを非表示/違反報告)
レイア(プロフ) - ちょちょちょォォォォォ!!!? 真名!? 人形師サイコパス!!!!! でもそこがいい! イケメン!!!!!(最早狂気(?)が移った人←) (7月16日 21時) (レス) id: 308d0f6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
ルヴァンネ(プロフ) - しあ。さん» ありがとうございます!次は完成しだい載せたいと思います。 (7月16日 13時) (レス) id: d6627a81ed (このIDを非表示/違反報告)
しあ。(プロフ) - お疲れ様でした! (7月15日 22時) (レス) id: 3344a8c17f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルヴァンネ | 作成日時:2018年6月20日 22時

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