それから人形に【閲覧注意】 ページ5
どのくらいたっただろうか。
彼の艶かしい声と生々しい音を聞きながら、吐き気を必死に堪え続けた。
目を閉じ、必死に聞かないフリを続けた。
そして...声と音が聞こえなくなった。
ただ、彼のイヤらしい息づかいは今だに聞こえている。
「会いたい...旅人さん...会いてぇなぁ...」
彼はそう呟くと、奧のアトリエへ入っていった。
Aは彼がアトリエに消えたのを見ると、即座にカウンター裏から飛び出て、店を後にした。
大通りに出て、人に紛れて始めて安堵の息が漏れる。
太陽の光が妙に暖かい。
Aはあの問屋を探した。
あの店を知っているなんて。
もしかしたら、彼にまつわる何かを店主は知っているかも知れない。
しかし...
問屋だった場所に店などなかった。
その部分だけ、始めから何もなかったかの様に空いたスペースになっていた。
隣の店の女店主に話を聞くと、『そんな店もとからないわよ』と笑われてしまった。
Aは逃げるようにバザー街から出た。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Aは店から出るとき気づいていなかった。
店から出るのに必死で。
アトリエのドアが本の少し開いていた事を。
人形師がそれを見ていた事を。
そして、笑っていた事を_______
彼はカウンター裏の床に触れると興奮したような笑みをこぼす。
床に指を馳せ、Aを思い浮かべる。
ここで、旅人さんは、Aは、俺の自慰を見て、聞いていた。
それも、俺に怯えながら。
「可愛かったなぁ...何度襲いたくなったか...でもそんなことしたらAの質が落ちるんだよなぁ...」
人形師はうっとりとした溜め息をついた。
そしてズボンの中に手を入れ、また下半身の猛りに触れる。
彼の体がピクリと震え、口から嬌声が漏れる。
「A...AAAAAAAA...!!」
声は繰り返しAを呼ぶ。
最早それは、無意識だった。
動かす手は速くなり、声はだんだん大きくなっていく。
そして、一際体を震わせて彼は達した。
手に生暖かいものを感じながら彼は目を閉じた。
自身の手についた白濁液を舐める。
それが、Aの血なら最高なのに。
不味いこれと違ってきっと甘美で美味しいだろう。
Aを捕まえたらまずはその血を啜ろうか。
吸血鬼の様に首から...
自分の物だという印をつけながら。
あの美しい肌に舌を這わせながら。
それから人形にしてやろう。
人形師は涎を垂らして笑った。
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璃藍 - 人形師、、、イケメンやん えっ? (2021年7月15日 18時) (レス) id: 1a37f2dad8 (このIDを非表示/違反報告)
壱 - 人形師さん好きすぎる… うちにおいで!愛してあげるから(( (2020年1月6日 11時) (レス) id: 09ab6582bb (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`) - めちゃめちゃ面白かったです!読み応えありました!フロートチャート楽しみにしていますね♪( *´艸`)ウフフ (2018年7月29日 17時) (レス) id: 8c2421ccaa (このIDを非表示/違反報告)
メリア - ゆうえんちの小説も書いてほしいです! (2018年7月23日 7時) (レス) id: 3bc89f1424 (このIDを非表示/違反報告)
レイア(プロフ) - ちょちょちょォォォォォ!!!? 真名!? 人形師サイコパス!!!!! でもそこがいい! イケメン!!!!!(最早狂気(?)が移った人←) (2018年7月16日 21時) (レス) id: 308d0f6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルヴァ子 | 作成日時:2018年6月20日 22時