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紅【神無月】 ページ1

(あやかし)と人間は、古より争いを続けて参りました。

怪火(かいか)は人の命を焼き、刀は妖の命を切り捨てた。

憎しみが憎しみを呼ぶ負の連鎖。
それを良しとしなかったのが、九尾──すなわち【妖狐(ようこ)】の者でございます。

彼らは手始めに、小さな人の村にある協定を持ちかけました。

『我々は人と争うことを望まず。その鋭利な刃を向けなければ、我らもそなたらに呪を唄う事はない』

もちろん、人間たちはそれを了承してくださいました。

その際に狐たちは、新月の夜の如く黒い槍を、人間たちは、紅葉の様に紅鮮やかな花札を贈ったのです。

しかし、その協定は長くは続きませんでした。

妖たちを良く思わない人間たちが、村の者を異端者として、皆殺しにしたのち、そう、始末したのですよ。

それはそれは真っ赤で──ええ、とても恐ろしいものでした。生々しく、今でも覚えていますとも。

じりじりと、色鮮やかな紅が、人間たちを、じわじわと、焼いていくのです。

皮膚に焦げ目をつけて、なぶるように、けれども、味わうように、自分の中に取り込んでいきました。

人々の悲鳴。
女も男も関係ない。幼子だろうが、年寄りだろうが、それには関係なかったようで。

ええ、これは例えですよ。
これは人が放った炎(・・・・・・)でございます。

幻滅しました。
敵はともかく、同胞まで手にかけるとは。

──妖たちもこんなことをするまでは。

彼らも、この人間と対して変わらなかった。

人と平和のために協定を結んだ我々を、臆病者、裏切り者と言って、追放したのですから。

対して変わらなかったからこそ、争ったのかもしれませんね。

その後我々は、なんとか生き残った村の、数少ない民と過ごしました。

人間や妖たちに見つからないように、村を紅葉に隠して。

それから、花札と槍を村の近くの森に神社を作って奉りました。

この二つはあえて、放す形で。槍は北に、花札は南に。

この協定の証したる二つが、同じ場所にあればまた、この民が傷つくだろうと思ったのです。

それから、数年。
今度は、人間と妖の争いに巻き込まれ命落とした悪霊が、蔓延る時になった頃。
この時に、付喪神が生まれました。


それは、紅葉の美しい神無月の事でごさいます。

ですから我々は、その花札の付喪神を
紅葉守月光(もみじのかみつきみつ)、と名付けたのです。

枯葉と北風【霜月】→



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リリー(プロフ) - ルヴァンネさん» 返信遅れました...ふ、フロチャでもう一回ですか!?あ、ありがとうございます!楽しみに待ってます! (2019年11月1日 19時) (レス) id: 74e525c1b3 (このIDを非表示/違反報告)
ルヴァンネ(プロフ) - リリーさん» これはあくまでプロローグ扱いなので、貴方様のリクエストはフロチャで再度消化させてください・・・こちらは夢主表現も曖昧なので・・・ (2019年10月20日 20時) (レス) id: c124615dbe (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - わあああああぁぁぁぁありがとうございますうううううぅぅ!!!リクエストお答えしていただいて、ありがとうございました!(*^^*) (2019年10月20日 20時) (レス) id: 74e525c1b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルヴァ子 | 作成日時:2019年10月20日 18時

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