伝えたいこと ページ3
｢僕ね、人形師のおかげで、恋が実りそうなんですよ｣
嬉しそうにこいつ──着流しの男は頬を緩める。
どうやらこいつの手紙とは、【貴方のおかげでボク幸せになれますありがとう！】なんていうふざけたものらしい。
アイツのおかげで幸せになんて、きっとそれは不幸の上で成り立つものだ。
──確証はないが、そんな感じがした。
そんな俺に構わず、男は話を続ける。
楽しそうに話を続ける彼の声が不愉快で、俺は遮るように、質問した。
｢人形師に手紙を渡したいのなら、どうしてそいつの話をする必要がある？ 墓の場所さえ分かればそれでいいだろう？｣
｢あぁ、それね。それは単純に僕が知りたいからだよ｣
｢つまり、好奇心だけで人形師の事を知りたいと｣
｢好奇心だけ･･････そうだね、好奇心だけだね｣
｢ふざけるな｣
何故、ヤツが死んだ後にヤツの事を話さなければならない。
それも、好奇心で。
｢僕がふざけてる？ ふふっそう思うならごめんねぇ。でも、生憎｣
──ふざけてるつもりはないんだよね。
目で、笑顔で、威圧するように、ただそう囁いた。
｢でもまぁ、理由も聞かずにトラウマを教えてくれなんて傲慢だよね。確かに僕自身については、単なる好奇心だけどさ、僕のね、好きな人が、大切な人を人形師に殺されて、ね？｣
じゃあなんでそんなに嬉しそうなんだよ。
だって今のアンタ、まるで欲しい人形を手に入れたときの人形師と同じ顔をしている。
歪んで、嬉しそうな、子供みたいな笑顔。
｢だから、僕は人形師の事をその人に伝えなくちゃいけないんだ。だから、頼むよ｣
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ゑごま - こんな素晴らしい作品を作ってくださり、本当にありがとうございます！！ヤンデレって良いっすね… (2021年7月17日 22時) (
レス) id: 4d2c5a9f36 (このIDを非表示/違反報告)
ルヴァ子(プロフ) - ゑごまさん» こちらこそお読みいただきありがとうございました！他の作品も楽しんでいただけると幸いです。 (2021年7月16日 5時) (レス) id: feb2492136 (このIDを非表示/違反報告)
ゑごま - 全部読みきってしまった…！フロチャも全エンド回収してしまった！そして今はショタだけでなくヤンデレにも目覚めた！どうしよう、作者さん神すぎる。感謝しかないんだが。さあ、もう一周してから他の作品も見に行こう (2021年7月15日 23時) (レス) id: 4d2c5a9f36 (このIDを非表示/違反報告)
ルヴァ子(プロフ) - ピーナッツさん» こちらこそお読みいただきありがとうございました！神作品と言ってくださりありがとうございます！ (2021年7月15日 21時) (レス) id: feb2492136 (このIDを非表示/違反報告)
ピーナッツ - 良すぎて...やばいです!このような神小説を作ってくださり本当感謝です!! (2021年7月15日 19時) (レス) id: 362c37f779 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルヴァ子 | 作成日時：2019年9月12日 10時
