第五十一話 ページ2
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銀時side
総一郎君が連れ戻してきたことに、俺も安心する。
どこかスッキリした柏木にスタッフは喜んでいたし、共演者たちも微笑ましく見ていた。
「Aちゃん、やれる?」
『はい、お願いします』
23テイク目になるシーン。演技なんて全くわからない俺でもどんな風に変わるのか気になる、そんな自分がなんか面白い
「あの男をもらうのはこの私!あなたはただの町娘でいればよかったのよ!!
なにが・・・なにが全ての人を愛するよ!そんなの綺麗事よ!お願いだから、私に彼をちょうだいよ!!」
首を絞められる柏木。
さっきまでの演技とは一点、柏木は苦しむでもなく抵抗するでもなく、ただ大人しくそれを受け入れていた
そして、涙を溜めながら、口を開く
『・・・あの方は、たくさんに愛されていて・・・幸せ者ですね』
抵抗しない演技に相手役の手が怯んだ
『あなたに殺されても・・・私は、あなたを恨みません。
許します』
「っどうしてっ・・どうしてあなたはそんなに・・・」
相手役も負けじとアドリブで返しながら柏木の首をまた絞めていく。
そして微笑み、涙を流しながら柏木は目をつむった。
「カットぉおおお!それ!それだよAちゃん!!!!」
監督が立ち上がって拍手を送り、スタッフも続けて拍手をする。
「なるほど、役の解釈が甘かったってそういうことか・・・」
「あの町娘は恨むってことをしないからな。たとて殺されても」
いや分かるかよ。だったら台本に書いときゃいいじゃねぇか。
このシーンでめちゃくちゃ時間使ってんだろ?それに柏木はこのドラマでは脇役だ。
その脇役にこんなに時間かけるって・・・
銀「そういや沖田君、柏木になんかアドバイスでもしたの?めっちゃスッキリしてたけど」
沖「いや、俺じゃないでさァ。庭に漂ってた幽霊らしいですねィ」
銀「・・は?」
沖「言ってやせんでしたっけ?あいつ神社の娘らしくって霊も見えるんでさァ。
たまに真選組の捜査にも協力してもらってまさァ」
いや、幽霊が見えるってどういうことだよ。
ちょっと待て、え?だからたまに俺と目が泡なの?たまに俺の後方じっと見てた時あったよね?
それに最初万事屋きてた時ずっと何かを目で追ってた気がする。虫がいんのかなとか俺思ってたけど・・・
嘘だよね・・どうすんだよ俺一人でトイレ行けねぇじゃん
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kanna(プロフ) - 文章中のSNSのコメントにセンスを感じました…!めっちゃ好きです!応援してます! (2018年9月30日 19時) (レス) id: feab512cff (このIDを非表示/違反報告)
綺(プロフ) - 今まで読んだ小説の中で一番好きです!頑張って下さい (2018年9月6日 15時) (レス) id: e9ed424476 (このIDを非表示/違反報告)
西島 希依(プロフ) - 1話から70話まで一気に読みましたが、すごく面白くて大好きになり!更新楽しみに待ってます!頑張って下さい! (2018年9月5日 22時) (レス) id: 1be59f6fd6 (このIDを非表示/違反報告)
濰 - ほんとこの作品大好きです!更新頑張ってくださいぃぃぃ!!! (2018年9月4日 23時) (レス) id: 60ade2f7bb (このIDを非表示/違反報告)
エレーヌ(プロフ) - ルートさん» ありがとうございます!気に入っていただけて嬉しいです。更新頑張ります! (2018年9月4日 17時) (レス) id: a19c0604ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エレーナ | 作成日時:2018年9月4日 1時