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嘘の任務 ページ5

『…そういうことですので、失礼しますね。』


頭を下げて、未だこちらを睨んでくるのを無視し、その場を去る。

さすがに任務ともなれば止められないでしょう。


それにしても、任務に行く前に少し日陰で休んでいきたいな。

正直な話、今にも倒れそうな程にめまいが酷い。


『茶々。悪いんだけど、少し休んでから行ってもいい?目眩が酷くって。』

「大丈夫!!心配イラナイヨ!!」


そう言って茶々が飛んで行った方を見れば、先程話に出てきていた炭治郎達がそこにいた。

あれ?でも、三人とも任務に出てるんじゃ?そこに私が向かわなきゃならなかったんでしょ?


訳が分からず立ち止まってしまった私の元に、私に気がついた三人が駆け寄ってきた。


「Aさん!大丈夫ですか?」

『え?何が?』

「茶々が俺達に、Aさんを助けるのを協力してほしいって言ってきて、それでここで待ってたんです。

Aさんに何かあったのかと思って、心配してたんですよ。」


ああ、そうだったのか。

あれは、私をあの場から連れ出してくれるための嘘だったのね。


一人納得していると、それに、と言って炭治郎は眉を下げた。


「Aさんから、すごく悲しい匂いと辛そうな匂いがするので…。」


どうやら炭治郎だけでなく、耳がいい善逸も、触覚が鋭い伊之助もそう感じたらしい。

この三人はどこまでも優しい子達だから、心配をかけてちゃったのか。


『大丈夫だよ、三人とも。心配かけてごめんね。

それにしても茶々。見たところ三人とも任務帰りだけど、どうして炭治郎達に協力を頼んだの?』


私が茶々を撫でながらそう問えば、茶々は嬉しそうに手に擦り寄りながら答えた。


「A、三人トイル時ハ楽シソウ!柱トイル時ノAハ、辛ソウダカラ見テラレナイヨ。

A。私モ心配ナンダヨ。


サナ様トイタ時ミタイナAニナルノ、コノ三人ノ前ダケダカラ。」


悲しそうに告げた茶々を、ありがとうと言って抱きしめた。

姉様といた時は、それこそ毎日が楽しかった。


この三人はなぜだか私に懐いてくれていて、この子達といる時だけは肩の荷が降りる気がする。


だからきっと、完璧とまではいかないが、姉様といる時のような私に戻るのだろう。


少し重くなった空気を変えるように声色を変え、三人に話しかける。


『ねぇ、さっき任務が終わったのなら、家でご飯なんてどうかしら?お礼もしたいしね。』


そう言えば、三人は元気に是非と返事をしてくれた。

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アマリス(プロフ) - この夢主、魔法少女になったら真っ先に魔女化するな。で、人間体は死んで、魂ごと消えるあれですけど、まあそうなればみんな幸せなんでしょうね。夢主は魂ごと消滅するんですから。本当にそうなったら、どうなるんでしょうね。 (2022年5月22日 20時) (レス) id: 7d0074fb6d (このIDを非表示/違反報告)
ふじか(プロフ) - 更新楽しみに待っています! (2021年9月29日 10時) (レス) id: ae671ca5ff (このIDを非表示/違反報告)
*つむり* - すごく面白いです。小説の書き方とかも、すごく参考になります!続きが気になります……といったらプレッシャーになるかもしれませんが、応援してますので、気を詰めずに自分のペースで頑張ってください! (2021年5月3日 10時) (レス) id: a3e5e92948 (このIDを非表示/違反報告)
リタ - とても面白かったです! (2021年2月25日 19時) (レス) id: 800a931bab (このIDを非表示/違反報告)
ほたる - 下に同じくもっと伸びるべきだと思います!ゆっくりで良いので更新頑張ってください!体調にも気をつけてください! (2021年1月7日 18時) (レス) id: bff8d73ccb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藍夜 | 作成日時:2019年11月14日 12時

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