バカガキ ページ38
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『おい、脳みそスッカラカンのバカガキども。こいつに何か言うことはねぇのか。』
「フ、フン!どこから出てきたか知らないが、そいつが悪いんだから、何も言うことなんかないだろ?逆にそいつが果穂に礼を言えよ。
それに、E組のクセに俺達にバカだって?ふざけるのも大概にしろよ!!」
そう言って殴りかかってきたのを避けて、その腕を捻りあげる。もちろん、軽くだが。
短い呻き声が聞こえるのと同時に、一緒にいたヤツらもこちらに攻撃を仕掛けてくる。
勝てない相手に喧嘩を売るなんざ、とんだ馬鹿だぜほんと。
その攻撃もいなしていると、やめなさい、というどこか聞き慣れた声が聞こえた。
その方向を見れば、理事長が車から降りてきていた。
「ダメだよ暴力は。人の心を…今日の空模様のように荒ませる。」
そう言いながら近づいてきて、攻撃をいなす為に捨てていた私の傘を広い、それと共にハンカチを手渡してきた。
「これで拭きなさい。酷いことになる前で良かった。危うく、この学校にいられなくなる所だったね。君が。」
『ハッ、こんなのいらねぇな。偽善なんかふりまいてねぇで、さっさと帰りな。人の上に経つ資格すらねえ三下が。』
私がそう言っても、顔色ひとつ変えずに足元に気をつけてと言って車に乗って去っていった。
さすが理事長を務めているだけはあって、あれくらいじゃ顔色すら変えはしないか。
まして、自分の生徒が見ている前じゃ、な。
そして本校舎の奴らは、悪態をつくだけついて、偉そうにしながら帰っていった。
『なーにが立派だ。頭腐ってんじゃねぇのか?近藤さんの方が、断然立派だし偉いし凄いって相場が決まってんだよ。』
親指を下に向けてそう呟くのと同時に、こちらに渚達が走ってきた。
「前原!!鬼山!!へーきか!?」
「…おまえら、見てたんかい。上手いよな、あの理事長。事を荒立てず、かといって差別も無くさず、絶妙に生徒を支配してる。」
「そんなことよりあの女だろ!!とんでもねービッチだな!!
いやまぁ…ビッチならうちのクラスにもいるんだけど。」
その杉原の言葉に対し、渚は間髪入れずに違うと答えた。
渚の言う通り、イリーナ先生はそれをする場所も意味も知っている。それが暗殺に必要となってくるから。
ただ、さっきの奴は欲にまみれた小汚いバカ女なだけ。
だがどうやら、前原はビッチでも別にいいらしい。好きなやつは変わるものだと。
その歳で達観しすぎじゃないだろうか。
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白猫 - まじで面白いです。更新楽しみにしています。 (2019年10月7日 16時) (レス) id: fe959518f7 (このIDを非表示/違反報告)
餅みそ - 銀魂と暗殺教室のコラボ→神!!! つまりこの小説神!!!早く続きが読みたいです気になります!更新頑張ってください。 (2019年8月21日 18時) (レス) id: bfc2e3a90c (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - 沖野猫松さん» コメントありがとうございます!面白いと言って頂けて、とても嬉しいです!これからも更新、頑張りますね! (2019年8月20日 19時) (レス) id: 47c8e13314 (このIDを非表示/違反報告)
沖野猫松 - とっても面白かったです!更新頑張ってください! (2019年8月20日 18時) (レス) id: 40ce46605e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍夜 | 作成日時:2019年7月21日 21時