匠の所業 ページ35
彼女の性能を上げた翌朝、眠い目を擦りつつ登校すれば、教室の入口で杉野と渚が固まっていた。
どうやら、新しい彼女を見て驚いていたらしい。
『おはよ、二人とも。新しい自律思考固定砲台さんはどうでィ?』
「え!?あれ鬼山さんがやったの!?」
『正確に言えば、私と殺せんせーな。』
「親近感を出すための全身表示液晶と、体・制服のモデリングソフト。全て自作で8万円!!
豊かな表情と明るい会話術。それらを操る膨大なソフトと追加メモリ。同じく12万円!!
先生の財布の残高…5円!!
になるところでした。鬼山さんが協力してくれなければね。」
そう言って、先生は私の頭に優しく触手を置いた。
実は一昨日の放課後、源外さんから助言を貰いつつ、機械のソフトや様々なことについてを一夜漬けで調べあげ、頭の中に叩き込んでいたのだ。
ついでに、源外さんの作った機械を試すために、こっちに必要な分のお金も送ってもらった。
いやー、貯金はしといて正解でした。先生のと合わせても、そこそこ値段は張りやしたからねィ。
相も変わらず、送られてきたらこっちで使えるお金に変わるっていう、都合のいい機械を作るのが得意ですねィ、源外さんは。
なんて思っていたら、さすがに一昨日の徹夜と昨日の夜更かしもあってか、酷い眠気が襲ってきた。
人が増え、騒がしくなった教室で一人、総悟が付けているようなアイマスクをして、机に突っ伏した。
授業時間にはちゃんと起きて授業を受け、自律思考固定砲台さんが、問題なく生活しているのを見て、少しだけ安心した。
このまま、何事もなければ良いんですがねィ。
すっかりクラスの人気者で、打ち解けた様子の自律思考固定砲台さん。
休み時間も、和気あいあいとクラスメイトと楽しんでいる。
そしていつの間にか、"律"というあだ名も貰っていた。
「上手くやっていけそうだね。」
「んー、どーだろ。寺坂の言う通り、殺せんせーとAのプログラム通り動いてるだけでしょ。機械自体に意思があるわけじゃない。
あいつがこの先どうなるかは…あいつを作った
『いいや、そんなことねぇぜ。カラクリにだって、心はあるんでさァ。開発者が何をしようと、どうするかは律の意思次第。
それに、彼女には"カラクリの先輩"の助言も伝えてるんでね。
彼女をここまでグレードアップさせた匠の所業、舐めんじゃねぇや。』
劇的ビフォー○フターを見せてやるよ。
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白猫 - まじで面白いです。更新楽しみにしています。 (2019年10月7日 16時) (レス) id: fe959518f7 (このIDを非表示/違反報告)
餅みそ - 銀魂と暗殺教室のコラボ→神!!! つまりこの小説神!!!早く続きが読みたいです気になります!更新頑張ってください。 (2019年8月21日 18時) (レス) id: bfc2e3a90c (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - 沖野猫松さん» コメントありがとうございます!面白いと言って頂けて、とても嬉しいです!これからも更新、頑張りますね! (2019年8月20日 19時) (レス) id: 47c8e13314 (このIDを非表示/違反報告)
沖野猫松 - とっても面白かったです!更新頑張ってください! (2019年8月20日 18時) (レス) id: 40ce46605e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍夜 | 作成日時:2019年7月21日 21時