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新調 ページ5

私が固まって動かないでいると、翠蓮はさっきの姿に戻ってケラケラと笑い始めた。


「まったく、お前は本当に面白いな!」

『え、ちょっと待って。翠蓮って本当はその姿なの?』


私の一番の疑問はそれだ。

だって、今までずっと変化した時の姿だったから。この本当の姿であったのは初めてで、何が何だか分からず頭がパンクしそう。


私が頭の上に疑問符を浮かべていると、笑いがおさまってきたらしい翠蓮が説明をしてくれた。


「小さい頃は親しみやすい方がいいかと思って変化していたんだが、この姿を明かす時を逃してしまってな。

まあそのおかげで面白いものが見れたけどな!」


ニッと見た目に反した笑顔を見せる翠蓮に、自然とため息がこぼれる。

黙ってれば変化した姿は好青年、今は落ち着いた大人な印象のままなのになぁ。


そう思って、また一つため息をつく。


まあ、昔と何も変わってないのは少し安心したんだけど。


「なんだ、ため息ばかりついて。そんなに俺に会えたのが嫌か?」

『嫌なわけないじゃない。ただちょっと呆れてただけよ。ところで、どうして学校の前にいたの?』


そう問えば、ああそうだった、という顔をしていきなり私のことをマジマジと見つめてくる。


『ちょ、ちょっと、何?』

「いやな?もうそろそろ着物の新調をしてもいい頃だろうと思って、せっかくだし自分の目で見て新調しようとしたんだが、お前のいる所がわからなくてな。

そこで、夏目レイコの孫がいるというあの学校を聞きつけて、A探しを手伝ってもらおうとしたんだが、まさかお前もいるなんてなぁ。


探す手間が省けたのはいい事だが、お前がこんなに大きくなってるのも驚きだ。

前までこんなに小さかったろ。」


そう言って自分の腰くらいに手を置く翠蓮。

いつの話してるのよ。それに今着てる着物だって、翠蓮が作ったクセに。

会ってなくても、蒼葉とかから身長聞いてるわけだし分かるでしょ…。


……まあでも、生きている時間が違うから、感覚なんてズレるものよね。


そんなことを考えて少し気が沈んでいた時、翠蓮が私の手を握って元の道を戻り始めた。


「さーてと、だいたいサイズも見ればわかったし、お前ん家で早速作るな。どんなのがいい?」

『……今と似たようなのでいいよ。気に入ってるから。』

「そうか。じゃあ楽しみにしとけよ。もっと気に入るの作ってやるからさ。」


そう言って笑う翠蓮の顔はやっぱり姿に似合わないけど、ひどく綺麗だった。

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うたプリ大好き?(プロフ) - 完結になっていますが、これで終わりなのでしょうか? (2020年10月18日 11時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - この作品面白いです。更新頑張ってください!続き楽しみにしています。 (2019年9月27日 22時) (レス) id: fe959518f7 (このIDを非表示/違反報告)
蝶華 - 初めてこのお話を読みましたが凄く良いです!これからも頑張ってください!応援しています! (2019年9月2日 21時) (レス) id: 70b9e10207 (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - 更新お疲れ様です!最近夏目友人帳にニャンコ先生関連ではまっていてこの作品もとても楽しませてもらっています!徹夜して読みましたww 体調に気をつけて頑張ってくださいっっ!! (2019年7月20日 15時) (レス) id: a81fa4594d (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - かなとさん» すみません、すぐに気づいて直してきました。ご指摘ありがとうございます! (2019年6月7日 22時) (レス) id: 4ffe17b14f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藍夜 | 作成日時:2019年6月7日 22時

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