検索窓
今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:16,731 hit

朱羽の力 ページ12

朱羽に実際どうやるのかと聞けば、朱羽は田沼と多岐にしゃがめと言った。

不思議そうにしながらも二人はしゃがみ、その頭に朱羽が触れる。


「俺、お前たちに力流す。そうすれば、一日見えるようなる!祭りの日、これする。今日、試しに見てみろ。」


そう朱羽が言うなり、朱羽の手から淡く赤い光が出始めた。

そして終わったのか、二人から手を退けると妖の姿に戻る。


「どうだ?俺、見える?」


恐る恐るといったように目を開けた二人を、朱羽は期待の眼差しを向けながら覗き込んだ。

すると二人は驚いたように目を見開いた。


「す、凄い…。」

「見えてる…見えてるぞ朱羽!」


田沼と多岐が歓喜の声を漏らす。

…そんなに見えたのが嬉しいんだ。

二人は前々から、私や夏目が見ているものを見てみたいって言ってたものね。


興奮気味に夏目と話す田沼や、朱羽と嬉しそうに話す多岐を見つめ思わず笑みをこぼす。


あ、そうだ。


『ねぇ二人とも。このまま私の家来ない?』


そう言うと、二人は嬉しそうに行くと答えてくれた。

今なら本来の姿をした紫水や颯魔を見れるし、色んな妖に慣れていた方がいいわよね。


そのまま皆で家に帰り、紫水達に今日あったことを全て話した。


「まあ!それなら今、田沼様方は私共が妖の姿に戻っても見えるのですね!」

『うん。戻ってみてよ。』


そう言えば、とても嬉しそうに紫水は姿を変えた。

と言っても、ただ服装が着物に変わっただけなのだけれど。


蒼葉も同じような感じだが、颯魔の背には綺麗な黒い翼が生えた。


「どうだ?」

「うわぁ…!凄い!颯魔には、こんなに綺麗な翼が生えていたのね!」

「でも、外見はあんまり変わらないんだな。紫水とか、蒼葉とかは特に。」

「まあ、人間に化けた時Aが困惑しないようにしているからねぇ。」

『紫水。悪いのだけれど、元の姿に戻ってもらってもいい?二人とも、大きな妖にも慣れていた方がいいと思って。』

「それもそうですね!かしこまりました!」


そう言い終わるや否や、周りに物凄い風が起こり、次に目を開けた時には美しい銀色の毛並みが目に入った。

それを見た二人は、また目を輝かせている。


いつの間にか颯魔も烏の姿に戻り、またもや二人は驚いている。


その光景があまりにも面白くて、夏目と笑いを堪えるのに必死になってしまった。

田沼や多岐に、もう少し友達を紹介しようかしら。


そう思い、私はカバンに入れていた友人譜の笛に手を伸ばした。

三人の妖→←朱羽



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.1/10 (43 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
105人がお気に入り
設定タグ:夏目友人帳
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

うたプリ大好き?(プロフ) - 完結になっていますが、これで終わりなのでしょうか? (2020年10月18日 11時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - この作品面白いです。更新頑張ってください!続き楽しみにしています。 (2019年9月27日 22時) (レス) id: fe959518f7 (このIDを非表示/違反報告)
蝶華 - 初めてこのお話を読みましたが凄く良いです!これからも頑張ってください!応援しています! (2019年9月2日 21時) (レス) id: 70b9e10207 (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - 更新お疲れ様です!最近夏目友人帳にニャンコ先生関連ではまっていてこの作品もとても楽しませてもらっています!徹夜して読みましたww 体調に気をつけて頑張ってくださいっっ!! (2019年7月20日 15時) (レス) id: a81fa4594d (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - かなとさん» すみません、すぐに気づいて直してきました。ご指摘ありがとうございます! (2019年6月7日 22時) (レス) id: 4ffe17b14f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:藍夜 | 作成日時:2019年6月7日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。