四十二石 ページ44
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「あ〜、そゆことね。必死こいてる心の隙にカマかけようと。勇気あんなあ。メンタリストにそういう勝負挑んじゃう?
でも安心しなよ。引くほど元気だからさ。特に大樹ちゃんなんか、底なしの体力!知ってんだろ、
「長髪男の手先確定だ、殺すか!?」
「待てバカ。あさぎりゲン、テメー100億%カマかけに気付いてて、なんで急にアッサリ司の仲間だって認めた?」
「──情勢が変わったんだよ。こいつを見たからね。」
そんな会話を聞きながら、ひたすらに腕を動かしたが、製鉄作業は夜通し行われた。
そして翌日、出来上がった鉄を型に流し込んでいく。
「ぶっちゃけね〜、10対0で司帝国の勝ちと思ってた。」
「だろうな。」
「俺の仕事は、千空ちゃんが死んだことの確認だよ。「司!千空は生きてた!」ハイ、それで君は一巻の終わり。そのつもりだった。」
だけど、鉄の武器があるとなれば、勝敗は分からない。
実にペラペラで、ポリシーも何も無いこの男は、自分が可愛い子達と楽しく暮らせれば、司が死のうが千空が死のうがどちらでも良いと言う。
「俺は誰を切ってでも、勝ち馬に乗る!迷ってんだよ〜。司を裏切って千空ちゃんの味方につくか!?司帝国VS科学王国、勝つのはどっちかね〜?」
「あ゛?決まってんじゃねえか。そんなもん、科学王国だ!!」
そーだそーだ。司帝国なんかに負けるもんですか。
そんなことを内心で思いながら、鉄の完成をクロム達と共に喜んだ。
そんな時、私の肩に手が置かれた。
「それで、君は何者なわけ?」
『何者って…科学王国の一員以外の何者でもないけど、それが何か?』
「いやあ?俺と会ってから一言も喋らないし、それにコハクちゃんが、千空ちゃんに「"君達"の仲間か」って聞いてたからさ。君、コハクちゃん達と少し雰囲気違うし。」
流石とでも言うべきか、心理テストとか出してるだけあって、洞察力が優れてるのかしらね。
私の復活の時にできた傷は首にあるけど、隠せるような服を作ったから見えるはずもない。それなのに怪しまれるなんて、私もまだまだね。
私はちらと千空の方を見てから、深いため息をついてお手上げというように手を挙げた。
『千空が止めないから言うけど、その違和感は間違いじゃないよ。私も石化から復活した人間だからね。
まあ、詳しいことは後で話そうか。鉄もできたことだし、次の準備に取り掛からなきゃ。時間は有限。無駄なく使っていかないと。』
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藍夜(プロフ) - イチュキさん» コメントありがとうございます!そうですね、そういった身のこなしをするシーンも書きたいので、楽しみにして頂ければ幸いです! (2020年5月3日 9時) (レス) id: 1084e77889 (このIDを非表示/違反報告)
イチュキ - デュララ〇の臨也の真似してパルクールとかナイフさばきが上手い、とかありませんかね??さも当然のようにそういうことやって欲しいですよね!氷月にちょいと警戒るレベルで。あぁ、続きが気になります!是非!更新!を!まってます!! (2020年4月30日 16時) (レス) id: 301f9252cd (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます!期待にお応えできるように、精一杯頑張りますね!これからもどうぞ、この作品をよろしくお願いいたします。 (2020年4月9日 13時) (レス) id: 1084e77889 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 藍夜さん» コメ返ありがとうございます!よかった…いきなり他ジャンル出しちゃったらどうしようと思ってました。すみません。私もそのとあるアニメで歴史に興味(ryこれからも読ませていただきます!お体に気をつけて更新頑張ってください! (2020年4月7日 20時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けるだけで、とても嬉しい限りです!その通りです…!とあるアニメはまさにそれです!私自身それで歴史に興味を持ったので、今回設定に加えてみました! (2020年4月4日 20時) (レス) id: 1084e77889 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍夜 | 作成日時:2020年4月2日 1時