三十八石 ページ40
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『なっ、なな、何言ってるのコハク!美人だなんてそんな…っていうか、付き合ってるだなんて一言も…!!』
「そんなこと、お互いの態度を見ればすぐにわかる。特に千空なんかはわかりやすいな。
それにA、君はその村一番の綺麗どころの三姉妹よりも美人だと思うぞ!」
ストレートに美人だと言われたことと、そんなに分かりやすかったのかということが恥ずかしくて、思わず顔を覆ってしまった。
面と向かって美人だと言われることがこうも恥ずかしいだなんて…。
これはあれね、コハクが旧世界の人間だったら女子にもモテてたタイプだわ。
私が一向に冷めない熱を必死に手で仰いで冷ます中、千空は「おごってくれる人つってる奴だけワンチャンあんな」と言い、その人が何が欲しいかをスイカに問う。
「魚とかお食事だよ。あ、お食事といえば──村一番の食いしん坊ガンエンも、毎日毎日焼き魚に飽き飽きで死にそう!って、新しいお食事を探してたんだよ。」
「ククク、さすがは名探偵スイカ様だ。アッサリ見えてきたじゃねえか。仲間をゲットするための、科学の餌がな…!!」
***
それから翌日、千空と私は科学倉庫で料理に使えそうなものを探していた。
「まさか食事を作るつもりか?」
「科学関係ねえじゃねえか。」
『あら失礼ね。関係ないどころか、ご飯=科学よ。そもそも、いつも食べてる魚に含まれる旨みはグルタミン酸やイノシン酸なんだから。』
私がそう説明をした時、千空は外で犬と遊んでいるスイカに、その手に持ってるのは何だと聞いた。
どうやらそれは猫じゃらしらしく、それを聞いた瞬間に千空の目が光った。
「猫じゃらしがありゃ作れっかもしんねえな!俺ら旧世界の人間なら、全員大好きな
0から作る原始のサバイバルグルメだ。唆るじゃねえか…!!!」
千空が一体何を作ろうとしているかを察した私は、籠と刃物の準備をして外に出た。
そして私達は猫じゃらしを籠いっぱいに入手し、それを岩に叩きつけ脱穀をし始めた。
猫じゃらしは立派な穀物。だけど確かに、食べる気にはなれないわよね。
『でもねコハク。旧世界にはエスカルゴっていうカタツムリを使った料理もあったのよ。』
「カタツムリ!?それならこっちの方が断然マシだ!!」
何なら幼虫とかも食べる。とまではさすがに言わなかったけど。
さすがの私でも、虫を食べるのだけは無理ね。
見た目も結構キツいのよね、あれ。
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藍夜(プロフ) - イチュキさん» コメントありがとうございます!そうですね、そういった身のこなしをするシーンも書きたいので、楽しみにして頂ければ幸いです! (2020年5月3日 9時) (レス) id: 1084e77889 (このIDを非表示/違反報告)
イチュキ - デュララ〇の臨也の真似してパルクールとかナイフさばきが上手い、とかありませんかね??さも当然のようにそういうことやって欲しいですよね!氷月にちょいと警戒るレベルで。あぁ、続きが気になります!是非!更新!を!まってます!! (2020年4月30日 16時) (レス) id: 301f9252cd (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます!期待にお応えできるように、精一杯頑張りますね!これからもどうぞ、この作品をよろしくお願いいたします。 (2020年4月9日 13時) (レス) id: 1084e77889 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 藍夜さん» コメ返ありがとうございます!よかった…いきなり他ジャンル出しちゃったらどうしようと思ってました。すみません。私もそのとあるアニメで歴史に興味(ryこれからも読ませていただきます!お体に気をつけて更新頑張ってください! (2020年4月7日 20時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けるだけで、とても嬉しい限りです!その通りです…!とあるアニメはまさにそれです!私自身それで歴史に興味を持ったので、今回設定に加えてみました! (2020年4月4日 20時) (レス) id: 1084e77889 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍夜 | 作成日時:2020年4月2日 1時