オタクも磨けば天才にってね【Dr.STONE】

十一石 ページ13

千空side


あれから、俺が起きてから半年以上経ち無事に大樹が起きてきて、今日でやっと杠も復活させることができて一安心。


となるはずだったんだが、どうも俺は厄介事を引き込みやすいらしい。


当初杠用に溜めておいた復活液を、訳あって獅子王司という男に使ったのが事の発端。

司は相当やべー奴で、若者だけを復活させ、人類を浄化するだのなんだのと言い始めた。


洞穴の奇跡の水さえ隠せればと思っていたが、これも俺の運が悪かったのか、大樹が大声で杠用のが溜まったと言ったせいで、司にその存在を知られるハメになった。


それからわざと復活液が足りないと言い、司に取りに行かせ杠を復活させる。


あそこにはAがいるが、今の俺達じゃどうもできねえ。

少なくとも殺されるということはないだろうから、ひとまずそこは安心だ。Aをどうするかってのは、あとから考えてもいい。


まずは司を何とかしねーと。


再会トークたけなわなところを止め、二人に二択を選ばせる。

大樹が一緒に戦うと即答して数秒後、何の説明もできてねえ間に問題の司が現れた。

大樹や杠の前でも殺人を隠す気もねえ。


その後大樹が飛び出したせいで色々と狂ったが、結果的には司もこの場から去ったしこれでいい。


これから何をするかを二人に説明していたら、茂みがガサリと音を立てた。


まずい、司が戻ってきたのか！？今の話を聞かれてりゃ＿＿！


そう思って視線を向けた先には、何やら難しい顔をして考え込んでいる、とても懐かしい見知った顔があった。


あれは＿＿＿＿


｢A！？｣

『え？』


俺の声に反応して、Aが顔を上げる。


しばらくお互いが声を発せずにいると、Aが目に涙をためて走りよってきた。


『千空！大樹！杠！良かった、良かったよお！見つけられなかったらどうしようかと思った！死んじゃってたらどうしようかと思った！！』


Aは堪えきれず、俺達にそう言うと泣き出してしまった。

それにつられたのか、大樹や杠も泣き出す始末。


その姿を見て呆れるとともに、Aが無事だったということに安堵する自分もいる。


ククク、司はAのことなんざ知らねえ。

たとえ来る途中会っていたとしても、こいつに人類を助けられるほどの膨大な知識があるなんざ、思ってもねえだろうよ。


これなら、193万8700年の文明を一っっ気にワープすんのも、多少は楽になってくる。


それなら尚更、唆るぜこれは！！

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