36話 ページ37
ミスズside
靴を履き替えながら私が言った。
ミスズ「ねえ、トウマは今日妖怪探偵団に行く?」
トウマ「ううん。もう5時だし」
ミスズ「そう。なら私もそうしましょ」
貴方が居ないなら…なんて、お父様が聞いたら100年は凍らされてしまいそう。
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───
トウマの乗るバス停まで歩いて、さあここでお別れという時だった。
トウマ「………ねえ」
ミスズ「?なあに?」
気づいたら、貴方は少し後ろにいた。立ち止まったのに気づかなかったのだろう。
やけに真剣な声色に緊張すると同時に、珍しさも感じた。
ミスズ「…?トウマ?どうしたの?」
一向に口を開かない。
そして決心したように言った。
、
、
トウマ「最近、君の事が気になるんだ」
突然吹いた風に二人の髪が靡いた。
ミスズ「…え?」
トウマ「君と二人きりだとドキドキして、君が特別綺麗に見えて、君を見ていると切なくなって苦しくって。君が他の男子と話しているのが嫌で。
ねえ、君はこの気持ちを、感情の名前を知ってる?」
これは現実?
顔が赤い貴方。真剣なまなざしに動けなくなる。
何て言おうか。
答えはもう出ているくせに。
正しい答えを言うため口を開けた時。
『人間に恋をしても苦しいだけだぞ』
!!
まるで呪いのようによみがえる言葉。
やめろ。そんなのアイツの考えだ。私はアイツのように不誠実ではない。私はアイツとは違う。
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、
、
ミスズ「ごめんなさい、わからないわ」
笑って言った臆病者。
トウマ「あっ、そっか…」
拍子抜けしたような顔の貴方。
ミスズ「アキノリなら知ってるんじゃない?」
トウマ「そうかな?聞いてみるよ」
丁度バスが来た。
トウマ「じゃあまた明日」
ミスズ「ええ、また明日」
軽快な足取りでステップを登る。
走り去る時、車中から貴方が手を振った。
笑顔でそれに応えると、嬉しそうに貴方が笑った。
ミスズ「(ごめんなさい、ごめんなさい)」
転移術で家まで飛んだ。
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ayanyanm(プロフ) - エンマさん» 教えて下さり、ありがとうございます!訂正致します! (2018年10月23日 23時) (レス) id: c2c48d4c6b (このIDを非表示/違反報告)
エンマ - 読書が、読者になってますよ!! (2018年10月23日 23時) (レス) id: b6e961ac32 (このIDを非表示/違反報告)
ayanyanm(プロフ) - 月兎さん» コメントありがとうございます!主人公の正体を近々明かすつもりなので、どうか楽しみにしていて下されば嬉しいです!! (2018年10月6日 22時) (レス) id: c2c48d4c6b (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - すっごく面白いです。主人公さんが気になります。更新頑張ってくださいね。 (2018年10月6日 22時) (レス) id: 77e594bc29 (このIDを非表示/違反報告)
ayanyanm(プロフ) - 大福さん» ありがとうございます!そんな事を言って頂けるなんて…!!光栄です!これからも頑張ります! (2018年9月9日 10時) (レス) id: c2c48d4c6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無彩色乙女 | 作成日時:2018年9月8日 23時