９ 三羽のCrows ページ10
『は？アネキ？』
「アネキ、何やってんすか。カシラが心配してましたよ！」
「本当だ。何でここにいるんだよ〜」
「たく……アネキも俺達がいないと駄目なんですか？」
三体のスマッシュが私を取り囲む。え、どういうこと？何でこんなに親しく話しかけられてるの？
「狼花に近づくんじゃねえ！」
龍我さんと戦兎さんがスマッシュを倒した。三体のスマッシュは成分が自動的に抜けて三人の男の人になる。それぞれ赤、青、黄色のバンダナを着けている。やっぱりこの人達、どこかで会ったことがあるんだ……。
「クソッ、ボトル返せ！」
赤いバンダナを着けた男の人が叫んだ。その時、
「みーつけた」
戦兎さん達と三人の男の人達の間にあの時私を掴んだ男の人が立つ。
「「「カシラ！」」」
『か、カシラ!?』
もしかしてこの人、スマッシュのリーダー？
「何俺に内緒で楽しんでんだよ」
「カシラ何やってたんすか！」
「あぁ？方向音痴な俺を一人にするほうが悪いだろ！」
「カシラ、何か怒ってないか？」
「う、うん。カシラ〜！ボトルとアネキを取り返してよ〜！」
「たく……仕方ねぇな。とっとと取り返すか」
そう言ってカシラと呼ばれた男の人はスクラッシュドライバーを取り出した。
「な、何でそのベルトを……！」
［ロボットゼリー！］
男の人はこちらに左で突き出して挑発するかのようなポーズをとる。
「変身」
ドライバーを押し込むと、男の人の身体が金色のゼリーに包まれた。
［潰れる！流れる！溢れ出る！ロボットイングリス！ブラァ！］
「仮面ライダーグリス。見参」
戦兎さん達は呆然とその仮面ライダーを見つめた。同じドライバーを使っているからか、もちろんクローズチャージにそっくりだ。
「心の火。心火だ。心火を燃やして……ぶっ潰す」
「上等だぁ！」
龍我さんが勢いよく殴りかかる。しかし、グリスはそれを悠々と受け止め、龍我さんを返り討ちにした。何て力……。
「万丈！大丈夫？」
倒れた龍我さんに美空さんが近づく。それを見てグリスの動きが止まった。
「カシラ！止めだ！」
「……帰るぞ」
「「「え〜!?」」」
グリスは変身を解いて背を見せる。
「そのドライバー。どこで手に入れた？」
「ああ、陽気なおっさんから貰ったんだよ」
そう言ってドライバーを軽く振る姿は余裕に満ちていた。
「ボトルはそのうち取りに行く。複眼洗って待ってろよ」
グリスは三人の男の人達を連れて去っていく。すると、途中で振り返って私を見つめた。
「A、お前も帰るぞ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：亜叶緒夜鳴 | 作成日時：2023年3月24日 17時
