孤高の狼少女 (ページ9)

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８　戦争のScar ページ9

結局戦兎さんの後を追うとカフェに辿り着いた。そこには一足先についたら戦兎さんと龍我さんが。でも、美空さんはいなかった。
『美空さんは……？』
「わからない。これから探しに行く」
『私も行っていい？力になりたいの』
「わかった。狼花は万丈と行ってくれ」
『うん！』
私は龍我さんと一緒にカフェを出る。少ししてから戦兎さんもその後に続いた。そして私達は手分けして美空さんを探し始めた。

「なあ、狼花。戦争って、やだな」
『……うん。嫌だね』
私達は東都の避難所に来ていた。もしかしたらと思って来てみたけれど、やっぱり美空さんの姿は無い。どこに行っちゃったんだろう……。
「……こんなの、俺が望んでた祭りじゃねぇ……」
頭上から声が降ってきた。
『さっきの……！』
そこにはさっき腕を掴まれた男の人がいた。私は咄嗟に龍我さんの後ろに隠れる。それと同時に物陰からスマッシュが現れた。
「狼花！下がってろ！」
龍我さんがスマッシュを見てベルトを装着する。すると、上から男の人が降りてきて、突然スマッシュを殴り飛ばした。
　バコッ
一撃でスマッシュが爆発する。凄い……！
「たく……あいつら俺を置いて行きやがって……。Aも変だったし……」
男の人は呟きながらどこかへ行ってしまった。
「何だったんだ……？」
龍我さんが首を傾げた。すると、後ろのガーディアン達が少し騒がしくなった。
「ロストスマッシュ、出現」
「！狼花、きっとそこに戦兎達もいる！行くぞ！」
『わ、わかった！』

着いたところは公園で、そこでは戦兎さんと三体のスマッシュが戦っていた。あれは、北都のスマッシュ？赤、青、黄色。どこかで見たような……？
「狼花は隠れてろ！」
そう言って龍我さんはいつものベルトではなく、スクラッシュドライバーを腰に巻き付けた。
［ドラゴンゼリー］
「変身！」
龍我さんがドライバーを押し込むと同時に身体に電流が走る。それに反して龍我さんの身体は青いゼリーに包まれた。
［潰れる！流れる！溢れ出る！ドラゴンインクローズチャージ！ブラァ！］
龍我さんは新たな姿、クローズチャージへと変身を遂げた。
「何だよこの力。負ける気がしねぇ！」
その威力は凄まじい。戦兎さんに襲いかかったスマッシュを軽々と返り討ちにして吹き飛ばした。その中で、赤色のスマッシュが私の近くに倒れる。どこが目なのかわからないけど、目が合った気がした。私は身体を強張らせる。赤色のスマッシュは私の方を見て叫んだ。
「アネキ!?」