孤高の狼少女 (ページ4)

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３　失われたMemory ページ4

戦兎side
いつも通りビルドとなってスマッシュを倒す。万丈も俺に続いた。最近は色々あったけど、どうにか俺達は上手く行っている。マスターがスタークだとわかり、俺が葛城巧だと言うこともわかった。一時は自分が世界を変えてしまったということに悩まされたりもした。その度に万丈が支えてくれた。美空や、紗羽さんも、俺の力になってくれた。そのことは、本当に感謝している。
『うわぁぁぁぁぁ!?』
スマッシュを倒して一安心していた俺達の元に叫び声が聞こえてきた。俺と万丈は変身を解かずに声の元へ向かう。そこにはスマッシュと真っ白な服を着てボロボロになった女の子がいた。
「行くぞ、戦兎！」
「あ、おい！」
万丈が真っ先にスマッシュに飛びつく。万丈も随分仮面ライダーらしくなった。また少し馬鹿だが、そこは置いておこう。万丈が拳を繰り出してスマッシュを女の子から離す。俺はスマッシュと女の子の間に立った。
「大丈夫か？安全なところに隠れてろ！」
女の子は唖然とした顔でその場を動かない。とりあえず俺は万丈と共にスマッシュを倒すことに専念した。スマッシュは意味のわからない叫び声をあげるが、そんなこと聞いてられない。
「勝利の法則は、決まった！」
［Ready Go！ボルテックフィニッシュ！］
俺の完璧な必殺技が決まってスマッシュらは爆発した。その時、
『うわっ!?もう一体!?』
女の子がまた叫び声をあげた。まさかもう一体いるとは思わず、俺と万丈は行動が遅れる。このままじゃ間に合わない！
『うわぁぁ！』
女の子が混乱して拳を突き出す。普通の人間の攻撃はスマッシュに効かない。
「「逃げろ！」」
俺と万丈の声が重なった。次の瞬間、
　ドカンッ
女の子の拳が銀色の光を放ってスマッシュを吹き飛ばした。離れた所でスマッシュが爆発する。
「マジかよ！」
女の子が肩で息をしながらその場に崩れるように座り込んだ。俺達はすぐさま女の子に駆け寄る。もちろん、変身は解いて。
「大丈夫？」
女の子は俺を見上げた。真っ黒な深い瞳が俺を見つめる。
「君、名前は？」
『……ガスマスク……』
「え？」
『……蝙蝠男が……』
そう言うと女の子は気を失った。
「ガスマスクに蝙蝠男ってまさか……」
「「ファウストの人体実験？」」