11 謎多きPunch ページ12
「っ……!?何だよ、この力は……!?」
グリスがすぐさま体制を立て直すが、それを止めるように続けて攻撃を繰り出す。私が倒す。私が戦兎さんと龍我さんを守る。私が戦争を終わらせる!
『はぁぁっ!』
「くっ、やめろ……!」
銀色の光はどんどん強くなってグリスを追い詰めた。このまま……!すると、私の腕を何者かが掴む。
「アネキ!何やってんすか!?」
それは赤色のスマッシュだった。赤色のスマッシュは私を軽々と持ち上げてグリスから離す。私はそのスマッシュにも拳をぶつけた。
「うおっ!?何すんすか!?」
『うるさいっ!』
赤色のスマッシュに止めを挿そうとしたら突然スマッシュが防御体制をとり、私の拳が弾かれた。
『いった〜!』
思わず右手をおさえる。このスマッシュ、硬い!それでももう一度ファイティングポーズをとった。その時……
キキィーッ
突然私とスマッシュの間に一台の車が割り込む。その扉が勢いよく開いて紗羽さんが現れた。
「乗って!」
反対側で美空さんが戦兎さんにパンダとロケットのフルボトルを渡して二人は脱出した。私も急いで車に乗り込む。そのままカフェまで走り去った。
カフェに戻ると、戦兎さんと龍我さんは今後の戦い方について対立してしまった。龍我さんはこのままクローズチャージになると言うが、それは反動が多く、危険らしい。一方戦兎さんは自分が強くなると言い張るが、それでは時間がない。二人は地下室で火花を散らした。私は二人から離れて一人カフェでコーヒーを飲む。隣にはウルフが座っていた。
『私も変身出来ればいいのに……』
思わずそんな言葉が漏れた。すると、ウルフがカウンターに飛び乗って私と視線を合わせる。
『どうしたの?かまってあげたいけど、今はそれどころじゃ……』
[ドライバーモード]
『えっ!?』
見る見るうちにウルフが姿を変え、戦兎さん達が使っているようなドライバーになった。でも今までこんな形は見たことがない。白と金色の狼を丸めたような形。二つボトルを差し込めるようになっていて、それに被せるように狼の上顎が開いていた。まさかこれで変身出来るの!?
『マジか……』
私はとりあえずウルフフルボトルを差し込む。
[ウルフ!]
『おぉ……』
思わず感嘆の声が漏れた。後はもう一つボトルが必要。私はこっそりと地下へ降りて、いがみ合っている戦兎さんと龍我さんの横からいくつかフルボトルを拝借した。
[ラビット!……BadMatch……]
『バットマッチ!?何それ、これじゃ駄目ってこと!?』
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作者名:亜叶緒夜鳴 | 作成日時:2023年3月24日 17時