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「これ、偶然ついたものじゃないわね」


そう言って私の手元を覗く雛鶴さんに、2人も頷く。


しかし、雛鶴さん達はしばらくその字を見つめたあと、お手上げだという風に謝った。







「いえ。

ここまで手伝って頂き、ありがとうございました」




私一人では、後何年かかっていたことやら…

そう三人にお礼を言うと、宇髄さんと桜寿郎がどこからともなく現れ、もう日も暮れてきたので解散しようと告げた。



















そして私は、夕飯と風呂を済ませ、自室で先程見つけた本と向き合う。






「最初の墨がつけられているのは、4頁のエム」


そしてゆっくり本をめくっていくと、半分辺りでオーを見つける。


エムとオーだけでは全く分からないため、そのまま探し続けると、最後の著書の名前のエヌの横に墨が着いていた。







「エム、オー、エヌ」



モン?


まさか「門」のことかしら。




さすがに門に隠してあるとは思ってもみなかったから、探したことは無かったけれど…







そう思った私は、夜の深い時間帯に一人自室を出て、門に隠せる場所が無いか探す。


しかし、あるはずもなく、私は春だと言うのに肌寒い空気から逃げるように、震えながら部屋へ戻った。



















「まず、態々ローマ字で日本語を表記すること自体

愚直じゃない」




今回の少し洒落た隠し方に、なんだか協力人の影を感じ、ある人を頭に思い浮かべながら、エム、オー、エヌ以外に見落としがないか、私はまた本に目を移す。












「エム、オー、エヌ」



そして、四分の三辺りまで来たところで、やっと見つけたもうひとつのオー。






全て順番に並べると、エム、オー、オー、エヌ。









「…月」



そう自然と口に言葉が出た瞬間、私は弾かれるように彼が鍛錬をしていた庭まで向かう。


外は既に薄明るくなっており、鳥も静かな囀りを聞かせる。




朝の更に寒い空気に身を包まれながら、庭についた私は、彼と良く月見をした縁側に向かい、なんとなくその縁側の下を覗いた。









「…こんな所に、岩なんてなかったわよね」



不審に思い、岩を精一杯の力で動かそうと試みるが、場所が場所な為、力が入らず、私はゼェハァと荒い息を吐きながら、もう一度力を入れる。









「…おい。こんな時間に何をしているんだ」




そう不思議そうに近づくその救世主は、目を輝かせる私に向かって怪訝そうな顔を向けた。









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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎   
作品ジャンル:恋愛
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- 涙止まらん。最高です (8月18日 23時) (レス) @page6 id: daa8a87cdb (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 初めてのコメント失礼します!メチャ号泣しました! ほんとに感動しました! (2022年3月29日 17時) (レス) @page33 id: 70da419123 (このIDを非表示/違反報告)
西川あや(プロフ) - つんつくさん» お返事遅くなってしまって申し訳ありません。暖かいコメントありがとうございます!手紙の内容については煉獄さんの性格などを色々悩んで書いたところなので、そう言っていただけるととても嬉しいです。 (2021年2月27日 21時) (レス) id: be0c2f3b60 (このIDを非表示/違反報告)
西川あや(プロフ) - みっちゃんさん» 2度も素敵なコメントありがとうございます!嬉しいコメントばかりで、物語を書くにあたって凄く励みになりました!お返事遅くなってしまって申し訳ありませんが、最後まで読んでくださり本当にありがとうございました。 (2021年2月27日 21時) (レス) id: be0c2f3b60 (このIDを非表示/違反報告)
つんつく(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。この度は完結おめでとうございます。作品のファンになりずっと楽しみに読ませていただいてました。煉獄さんの手紙にはいつもいつも泣かされました素敵すぎです。美しくとっても素敵な作品をありがとうございました。 (2021年2月4日 15時) (レス) id: 60af00218e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:西川あや x他1人 | 作成日時:2020年11月21日 1時

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