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最終回 ページ32











数日後、俺たちは母上の通夜を終えた。









「叔父上、俺少し前に父上の夢を見たんです」


「…!」






不死川さんや宇髄さんの記憶は今も少し覚えているが、父上の記憶は全くない。


それなのに、あそこまで鮮明な姿や話し方を夢に見るなんて、運命だと感じない方がおかしい。









「母上が、父上を愛した理由がわかりました」






















そして、今日は出棺の日。




俺と叔父上、そしてその叔父上の妻子と共に、母上を見送るため集まった。



叔父上の息子である蓮寿郎は、しっかりと煉獄家の派手髪を受け継いでおり、生前母上が提案した「清らかな心」という意味である、「蓮」の字を名前に入れた。



















「最後にお顔を」



納棺して以来、久しぶりに見る母上の顔に少し緊張する。





納棺の際、父上が母上に向けた九つの手紙を一緒に入れてあげたが、きちんと読み返せただろうか…




そんなことを考えていれば、早速葬儀社の男が、母上の顔にかかっている白い布をゆっくりと取る。



















俺は…というより、この場に居た者たちは皆目を開いた。









「…は、はうえ」





当たり前の如く、白く血色のない母上の顔。


しかし、その口元には緩く弧を描いており、流れるはずもない涙が、目元で一瞬光ったように見える。








そんな神秘的な亡骸に、葬儀社の男も驚いた様子で息を飲む。



















「父上が、しっかり迎えに来てくれたのですね」









その表情はまるで







以前夢の中で見た、同い年くらいの少女の

”あどけない”笑顔のようにも見えた。









◇◇◇

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎   
作品ジャンル:恋愛
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- 涙止まらん。最高です (8月18日 23時) (レス) @page6 id: daa8a87cdb (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 初めてのコメント失礼します!メチャ号泣しました! ほんとに感動しました! (2022年3月29日 17時) (レス) @page33 id: 70da419123 (このIDを非表示/違反報告)
西川あや(プロフ) - つんつくさん» お返事遅くなってしまって申し訳ありません。暖かいコメントありがとうございます!手紙の内容については煉獄さんの性格などを色々悩んで書いたところなので、そう言っていただけるととても嬉しいです。 (2021年2月27日 21時) (レス) id: be0c2f3b60 (このIDを非表示/違反報告)
西川あや(プロフ) - みっちゃんさん» 2度も素敵なコメントありがとうございます!嬉しいコメントばかりで、物語を書くにあたって凄く励みになりました!お返事遅くなってしまって申し訳ありませんが、最後まで読んでくださり本当にありがとうございました。 (2021年2月27日 21時) (レス) id: be0c2f3b60 (このIDを非表示/違反報告)
つんつく(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。この度は完結おめでとうございます。作品のファンになりずっと楽しみに読ませていただいてました。煉獄さんの手紙にはいつもいつも泣かされました素敵すぎです。美しくとっても素敵な作品をありがとうございました。 (2021年2月4日 15時) (レス) id: 60af00218e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:西川あや x他1人 | 作成日時:2020年11月21日 1時

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