海水に溺れて【YouTuber中短編集】 (ページ20)

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「エイジくんありがとう。Aを支えてくれて」
「いえ…Aはいつも、早く治して働いて、お母さんを楽させてあげたいって言ってました」

Aのお葬式はいろんな人が来た。
水溜りボンド、カリブラ、Fischer's、東海オンエア、関根りささんとみきぽんさん…みんなうちとコラボしたことのある人たちだった。

「…ありがとう…」

Aのお母さんはそれだけ言い、鞄から水色の封筒を出した。

「これは…Aが」
「手紙？」

小さく頷くと、ほかの親族の人のところへ歩いていった。

。

「えいちゃん、ご飯食べに行こう」

というりささんの言葉により、来ていたYouTuberでご飯を食べに行くことになった。

「あの、これ、Aがみんなにって」

一枚の封筒に何枚か入っていて、それぞれ渡すとすぐに読んだ。読み終わった人はみんな泣いていた。

「エイジには？」
「…ないんですよ」

【アバンティーズのみんなへ】というのはあるけど、俺宛のはなかった。俺が自意識過剰なのかな。
りささんが封筒を手に取り、中を見ていた。

「あ！えいちゃん！これ！」
「え？あ、」

驚くことに、封筒は二枚になっていた。Aは意外とこういうの考えるの好きだったっけな、なんて思いながら、封筒を開けた。

えいちゃんへ
私を支えてくれてありがとう
愛してるよ

「っ…ばかじゃ、ないの…」

場所が場所だから声を押し殺して泣いた。みっくんも俺に抱きついてきて、一緒に泣いていた。誰だかわからなかったけど、ずっと頭を撫でてくれていた。

俺も愛してる。

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