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翌日、トミーにその事を報告しに行くと、聞いただけで爆笑していた。
「おま、女の方から告白されてどうする!(笑)」
『いーじゃん別に。そういう人もいるよ。ねぇ?』
「言われちゃったんだもんしょうがないじゃん…」
トミーはさらに爆笑。どんだけ笑うんだよ、と突っ込みたくなった。
「はぁ〜まあ、良かったじゃん?おめでと」
『ありがとイエーイ』
「い、いえーい」
内心、付き合えたことにまだ驚きを隠せなくて。でもすごくすごく嬉しかった。俺から言いたかったなって思ったけど、後悔なんてしてない。
『あたしね、陸上のために東京の中学に行ったんだ。そこでトミーに会ったんだよ』
聞けば聞くほど知れるAのこと。陸上で全国大会行ったとか、トミーの面白かったこととか、たくさん教えてくれた。あと、俺が初めて付き合った人だと言うこと。なんとなく、なんとなくだけど嬉しかった。
動画投稿を始めた時もすごく応援してくれた。最初のファンだよと言って。
俺たちは別れることなく、3人とも大学生活を無事終わらせることが出来た。
「(思い出って思い出せばいっぱいあるんだなあ)」
バスに揺られて数十分。背中にはじっとりと汗をかいていた。気持ち悪くなるくらいシャツはびっしょりだ。
「着替え持ってきててよかった」
近くにあったトイレで替えのシャツに着替え、再び炎天下を歩き出す。
「こんにちはー」
「あらあらカンタくん。いらっしゃい」
「こんにちは」
「わざわざ遠いところから…ありがとう。きっと喜ぶわ」
「いえ。普通のことです」
「そうよねぇ、だって、」
「今日はAの命日だものね」
「…はい」
そう。Aは、数年前に交通事故で死んでしまった。その日も今日みたいに暑い日だった。暴走した車に轢かれて、そのまま___
「私はさっき行ってきたから、カンタくんもいってらっしゃい。後で冷たいお茶を出すわ」
「お構いなく」
俺はAの仏壇にお線香をあげたあと、そのまますぐにお墓へ向かった。
「久しぶり。元気にしてた?今日は暑いな」
いないものに話しかけてもしょうがないけど。
「俺らさ、チャンネル登録者200万人超えたんだよ。Aが応援してくれたおかげ」
ひまわりを花差しに入れ、その場にしゃがんだ。
「やっぱ寂しいよ」
誰もいない場所で呟く。
A、心配しないで。
俺はずっと好きでいるから。
また会えた時は、ちゃんと迎えてね。
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あやもち(新アカウント)(プロフ) - リンさん» ちょっと違う気がしますがありがとうございました! (2018年1月20日 22時) (レス) id: c7791dfc52 (このIDを非表示/違反報告)
リン - ありがとうございました。面白かったです。 (2018年1月20日 22時) (レス) id: da57983ead (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - ありがとうございます!! (2018年1月20日 21時) (レス) id: 3b3f15d52b (このIDを非表示/違反報告)
あやもち(新アカウント)(プロフ) - 未来さん» 了解です! (2018年1月20日 21時) (レス) id: c7791dfc52 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - りょうくんとイチャイチャするシチュエーションってお願いできますか?? (2018年1月20日 21時) (レス) id: 3b3f15d52b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あやもち(新アカウント) | 作者ホームページ:https://twitter.com/avntis_TO_mizu
作成日時:2017年11月17日 14時