53話 ページ7
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【黒子side】
風と共に微かに届いたその声は。
いつもの彼とは違って。
本当に小さく、頼りないもので。
貴「＿＿＿＿所詮は俺も秀才止まり、か」
遠くを見る眼差しは深い紅色をしていて。
一体何を見ているのか。
ブレることなく、赤司君に絶対の忠誠を誓う彼。
このままでは壊れてしまうのではないか。
ひとりで何もかもを背負いこんで。
"過去のこと"はなにも明かさずに。
赤司君しか知らない過去。
少なくとも、彼にこれほどまでに執着するほどの出来事があったことは確かで。
赤司君と共に歩む
これからも共に在るのかはわからないが。
その道の途中で、耐え切れずに押し潰されて＿＿＿_
＿＿＿＿いつか儚く、消え去ってしまいそうで。
僕の考えは、甘いのだろうか。
黒「僕は才能なんて関係なしにバスケが好きです」
バスケが好きだということだけでは足りないのか。
黒「それは君も同じでしょう」
初めはみんな、同じだっただろうに。
黒「その気持ちだけでは駄目ですか？」
いつから変わった。いつから違った。
僕らの気持ちは、僕らの道は。
みんなで手を取り合い、助け合って。
たまには練習が辛いと愚痴を言ったり。
学校帰りにコンビニに寄ったり。
アイスを買って食べながら帰ったり。
他愛もない話をして笑い合ったり。
あの頃は確かに、みんな笑っていて。
貴「駄目とは言わないよ。バスケをする理由は人それぞれだ」
思い出すほどに懐かしい思い出たち。
貴「でもね、それだけじゃ足りないんだよ。俺にとってのバスケは、もう楽しむだけじゃなくなってしまったから」
＿＿＿＿それはもう、遠すぎて。
貴「君を否定してるわけじゃないんだよ、
「テツヤ」と僕の名を呼んだ彼に、"スイッチが入った"のだと確信した。
それと同時に、僕の頭に浮かんだ考え。
黒「…っ、では君は……」
まさか、そんなはずない。
そうだとしたら哀しすぎるじゃないか。
自分のためなんかじゃない。
人のためにバスケをやるだなんて。
黒「君は勝つためだけにバスケをしているっていうんですか…！！」
貴「勿論だよ。それが征十郎の望みだからね」
にこり、綺麗に微笑む彼に。
僕はもう、なにも言えなくなった。
【黒子side end】
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あやの(プロフ) - RiRさん» わああ！更新再開して初めてのコメントいただけてとても嬉しいです（；＿；）ありがとうございます！のんびり更新で申し訳ないですが、楽しんでいただけるように頑張ります（＾Ｏ＾） (2019年10月4日 13時) (
レス) id: 194bfbd275 (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とても面白いお話をありがとうございますm(_ _)m続きがとても気になりますのでぜひ私に続きをお恵みください！更新をお待ちしております (2019年10月1日 18時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - 刹那さん» ありがとうございます！２年越しにはなりましたが、のんびりと更新再開していきます（＾Ｏ＾） (2019年6月5日 18時) (レス) id: 194bfbd275 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - とっても面白いです！更新待ってます！ (2017年3月19日 2時) (レス) id: 7c1d45a73f (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - 誄さん» わああっ そう言ってもらえると本当に嬉しいです（；＿；）ノロノロ更新ですが続けさせてもらいます！ありがとうございます！ (2016年12月19日 11時) (レス) id: 2ac38d71af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやの | 作成日時：2016年5月12日 21時
