05 突如 ページ6
「そう言えば、太宰さんが捕まったらしいよ。」
車の中で私は中原君に報告してみる。彼の大嫌いな人間の話をわざとしてあげる。
「はァ！？マジかよ。」
案の定嫌そうに顔を歪めながら彼は言った。
「うん、今日の夕方頃。確か、芥川さんが指示出して泉ちゃんって子が捕まえたんだってさ。」
泉鏡花、14歳。私とそこ迄歳が変わらない異能者。
殺戮系で殺しの天才。としか聞いていない、尾崎さんのお気に入りとのことだけれども実際の実力を私はよく知らない。
「泉・・・？あゝ、35人殺しか。」
35人殺し、中原くんが言うようにそれが彼女の実績だ。一度私はすれ違ったことがある。
日本人形みたいな子、感情を表に出さなそうな娘。
「物騒なあだ名。」
「五月蠅ェ。此方のほうが覚えやすかったんだよ。」
中原君が運転する車は海沿いの倉庫に向かっている。
今回の仕事は殲滅任務、全員殺す。
「だから道を間違えるんじゃない？左。ハヤクハヤクハヤクハヤク！」
久しぶりのヨコハマのせいか間違えた道を訂正させ、倉庫へと向かう。急かす私に嫌そうにしながらも中原くんがハンドルをきる。
しばらくして車は倉庫近くに着いた。
「ごちゃごちゃ五月蠅ェンだよ！そんなに殺りてェか！」
車を止めて叫ぶ中原くん私は満面の笑みで答える。
「勿論！」
何故ならば、ストレス発散としてはどうしようもなく最高の遊戯だからだ。
「否定しろ！ったく手前ェは昔から」
長くなりそうなので私は中原君を無視して車から降りた。
早く殺したい、ギタギタにしたい。血が見たい、肉片が見たい。何時もの危険な欲求が私の心を満たしていく。
殲滅任務は久しぶりで、きっと浮ついていたのだろう。
「・・・あっ」
降りた瞬間、重力が消えたように感じた。
とっさに下を向くと足元が歪んでいて、地に足がつかない。
ズブズブと一瞬で私は沈んで黒い何かに飲まれていく。
私が声を上げる暇もなく、それは私を飲み込み私の身体は落ちていく。
暗闇の中を落ちて落ちて落ちて落ちて落ちた先。
痛みも感じず衝撃も感じず、気づけば私はもとからそこにいたかのように路地裏に立っていた。
「だから、此の状況かァ。」
気がつけば裏路地、そして今に至る
思い出しても不可思議なことばかり、全く持って理解できない。
「神様信じてないけど助けてほしいなァ、なんちゃって。」
お手上げ状態の私は呟いた。
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アヤ(プロフ) - ロンさん» マジですか！？書き直します！ (2018年5月5日 15時) (
レス) id: aea21ba90e (このIDを非表示/違反報告)
ロン - あれ…相澤先生ってミッドナイトに敬語使ってたはずじゃ… (2018年5月5日 15時) (レス) id: 96ff2658c5 (このIDを非表示/違反報告)
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