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「いやぁ、今日は雨ですからなかなか人が来ないんです。なのでお客様が来てくださりよかった!」

ーーー潰れないで済みます。

「経営、上手くいってないの?」

結構本が揃っているから大規模書店には負けるだろうけどもそこそこ上手くいっているんじゃないかと思っていた。

「あんまりです。親の借金もありますしっと!」

借金があるんだ。其れなら表社会なら学生の年齢でも働かないとダメなわけだ。

「はい!私の知る限りの自 殺本は此方です。」

見た感じ・・・ざっと40冊くらいあるのだけど。
多くない?

「此方が漫画本、此方が小説本です。右側が自 殺に成功した本。
左側が自 殺に失敗した本です!

ちなみに心中・入水・焼身・投身など自 殺の種類別に分けました!」

・・・こだわりがすごい。
というか雨宿りで立ち寄っただけで立ち読みして済まそうと思ってたのに・・・

「私の中でのオススメはですね。此方なんですけど・・・」

と彼女が説明し始める。語りがうまい、うますぎる。
面白そうに感じるんだけど。

「すごいね、一つ一つの内容を覚えてるんだ。」

中身も見ずにスラスラと説明する彼女に衝撃をうける。

「当たり前です!本屋は言わばお客様と本のお見合い仲介のようなものですから。」

ーーー魅力が言えないと失礼ですよ。


彼女の熱心さはすごくて軽く感動した。私にはないね、あんなやる気。

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作者名:アヤ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2016年7月21日 21時

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