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◯月◯◯日
其れでは今、この日記を見てくださる方。
突然、私に対しての問いかけのような文章になった。
恐らく私は今までのことを語らないでしょう。語ったとしても母のことくらいでしょう。
私が貴方に話さなかったのは、この日記を見てほしかったからです。
きっと、私は貴方とは仲がいいのでしょうね。
私は作家になりたい、だからこそ私の過去も貴方への想いも文章で伝えたいのです。
だから、読むのをやめないでください。
私は貴方に私の物語を読んで欲しいのだから。
「物語・・・か。」
自分の人生ですら物語と捉えてしまう彼女のことが私は少し恐ろしかった。
だがそんな彼女だからこそ作家になりたかったんだと思う。
そこから先の彼女の物語は私が聞いた通りだった。
私と彼女がまだ別れていなかった頃本屋でたくさんの話を聞いたときに言った通りだった。
ここで文学部に入った話そんな部活普通は無いだろうと言う話になった。
太宰さんは高校に行ったことが無いのですか?
とAちゃんに聞かれ適当にごまかしたあの話。
ただ本屋を始めてから書いたと思われる私と彼女が出会ったときの物語は
私に話してくれなかった彼女の秘密ともいえることがたくさん書いてあった。
私はその物語を読み進めることに決めた。
どんな結末になろうとも。
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