35 頸攣り自殺未遂 ページ36
心の中でもやもやと蠢く鬱憤のような、憎悪のような、苦いような、辛いような、甘いような何か。それに、胸を締め付けられている。
「中原くんは。私にやめて欲しいの？」
少しだけ、間を開けて彼に聞いた。そうだと言われたらどうしようと焦って迷って苦しくて。どうして苦しいのかは、巧く言葉に表せない。
また拒絶されたら、また居場所が壊れたら。今度は何処に行けばいい？
「・・・手前ェが今のままならな。」
淡々と、抑揚の無い声で中原くんは告げる。その眼から、真意は読み取れない。喉が渇いていくのが、とても良くわかる。
「私が、弱いから？」
「あゝ。」
たった一言、その一言を言うのに使った労力に対する返答はあまりにも淡白で、残酷だ。
体育祭前の、あの日のことを思い出す。突然のクビ宣言、その時よりも濃く諦めそうになってしまう残酷さ。
異能という才能と、私個人の才能の。強さという超えられない壁。
確かに私程度の異能者なら、大して殺傷能力もなく弱点だらけの能力なら代えなんていくらでも効くのだろう。
それでも。
「そんなに、そんなに駄目だったかなァ。たしかにほうれん草苦手だし、独断行動しちゃうし、道には迷うけど。ちゃんと結果は出してきたのに。」
言い訳混じりの愚痴を吐く。一体いつから中原くんはそんなことを思っていたのか。楽しかった上司との日々が、突然色褪せていく。
「手前ェは逝かれてると思ってたよ。」
私のクシャクシャに歪んだ顔を見て、中原くんは眉をよせながら呟く。私に対していっているはずなのに、一人で語っているようにも思えた。
「餓鬼のくせに容赦もなかった。平然と殺して罪悪感もなく、平然と暮らしてる手前ェはずっと前から異常だったよ。
だから手前ェだけは、そっちにいけねェと思ってた。」
殺人欲求なんてもんは簡単に捨てられるわけが無ェからな、と中原くんは言った。捨てられない殺人欲求、私は頭の中で其の言葉を繰り返す。
「正直、監視下とはいえ手前ェが誰も殺さず学生生活なんざ半信半疑だった。蓋を開けてみりゃ危うい部分も多々あッた、其れでもまだ手前ェは殺してねェ。」
あゝ、まるでその言い方は。ヒーローてして生きていけると言うみたいじゃない。相澤さんのように、お婆ちゃんのように、
「手前ェはポートマフィアじゃなくたッて、生きていける。」
幾人もの人間が、姐さんですら望んだ道を今なら何のリスクもなく選べる。と。
彼は私に告げた。
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アヤ(プロフ) - ペンギン太郎さん» ありがとうございます！平ちゃん可愛い、久々に言われました…！無理せずしっかり頑張ります！ (2018年12月27日 18時) (
レス) id: 16b8101627 (このIDを非表示/違反報告)
ペンギン太郎 - すごい！この作品！とても好き！すんごく面白いです！！中也さんがかっこよくって平ちゃんが可愛くて…もう…もう！応援してます！無理しないで頑張ってください！ (2018年12月27日 17時) (レス) id: a451b06430 (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - ヒバリさん» ありがとうございます！かっこいいと言っていただけると安心します…かっこよくかけてるか不安になるんですよねー。これからも更新頑張ります！ (2018年12月23日 20時) (レス) id: 16b8101627 (このIDを非表示/違反報告)
ヒバリ - ちゅーやさんちょっとイケメンすぎやしません？アヤさんのちゅーやさんかっこいいです！これからも更新楽しみにしてまふ。 (2018年12月23日 14時) (レス) id: 60878f7a2d (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 本の虫さん» ありがとうございます！完全な個人のプライベートで番外編やってすいません、これからも頑張ります！ (2018年11月6日 0時) (レス) id: 16b8101627 (このIDを非表示/違反報告)
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