近距離恋愛―6― ページ46
三人を車に乗せ、閑散とした道路の中、車を走らす。
相葉と松本は後部席に座り、二宮くんは助手席に座っている。
半ば二人が無理やり助手席に乗せたようにも見えたんだけど･･････。
「翔さん、ここでいいです」
「･･･ここ？お前ら団地か」
着いたのは同じような建物が立ち並ぶ近所の団地。
相葉も同じなのか、松本と一緒に車から降りた。
「せんせ、送ってくれてありがとぉ」
「ありがとうございました」
「おぅ、気を付けて」
助手席の二宮くんに向けて手をブンブンと振る相葉と、優しく微笑んで手を振る松本。
二宮くんは笑顔で振り返している。
二人きりになった車内は気まずい空気だった。
「･･･ここを通るのも久し振りだな？」
「･･･うん」
「智くんの家から帰る時によく和くんと一緒に帰ってたなぁ」
「智兄さんが翔さんと一緒に帰れってうるさかった･･･」
和くん。
昔の呼び方が自然に出て、何だか恥ずかしくもあり、懐かしい気持ちにもなった。
ふと隣りを見たら、二宮くんは窓の景色を見ていて表情が分からなかった。
俺はそのまま懐かしい記憶の話を続けた。
「俺と智くんと、ほとんど三人で居る時が多かったな」
「･･･うん」
「今の相葉と松本みたいに、間を挟んでたのは俺と智くんだった」
「･･････」
相槌を打っていた声が聞こえなくなる。
二宮くんの家の前に着いて車を止めたが、俯いて動かなかった。
そして、言葉を押し出すように、か細い声で呟いた。
「･･････翔さんは、今の僕との思い出とか、ないの？」
顔を上げた二宮くんの目は潤んでいて、ゆらゆらと瞳が揺れる。
下唇を噛んでいて、俺の目を真っ直ぐに見つめた。
「･･･どうした？和く――」
「そうやって子供扱いして！翔さんはちっとも僕を見てくれない！
･･･高校生だよ？･･･二年生になったのに、翔さんちっとも変わんない。
･･････ちゃんと、僕のこと見てよ･･･」
二宮くんはまた俯いてしまった。声も肩も震えていた。
もう高校生なんだ。
分かってはいる。
けど、あの頃の面影をどうしても重ねようとしてしまう。
そうすれば、自分の気持ちを抑えられると思っていたから。
俺の顔を見ずに車から降りて、ドアを閉める直前に呟いた。
「････送ってくれて、ありがとうございました。―――先生」
先生という言葉が、重く圧し掛かった。
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真珠(プロフ) - 櫻宮麗子さん» あ、ありがとうございます!!私も櫻宮好きなんですが、「私が書く櫻宮は萌えないんじゃないか・・・」と思っていたので励みになりました!!嬉しいコメント感謝です!!(*´∇｀*) (2014年2月18日 23時) (
レス) id: af6ce7423c (このIDを非表示/違反報告)
真珠(プロフ) - 櫻宮翔也?山田太郎さん» お返事遅れてすみません＞＜ す、すみません。こんな形で終了して・・・(´д｀；)同士さんが満足してくれて嬉しいです! (2014年2月18日 23時) (レス) id: af6ce7423c (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮麗子(プロフ) - このお話大好きです(*´-`)櫻宮大好きな私にとって神的お話でした。もっともっと読んでいたいです♪続編待ってます。どれだけ時間がかかってもいいのでこれからも更新頑張ってください。応援していますo(｀^´*) (2013年12月29日 2時) (携帯から) (レス) id: f97588d60e (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮翔也?山田太郎(プロフ) - もっと書いてほしかったです泣でも。すごく面白くて櫻宮好きの私にはさいこうでした！ (2013年11月11日 19時) (レス) id: c0f2fbbbad (このIDを非表示/違反報告)
真珠(プロフ) - ちーさん» え、”にの俺”Part1なんて恥ずかしくて私も読み返せないのに！Σ(´д｀；) でも、ちーさんの理想とぴったりなのでしたら嬉しいもんです！(*´∇｀*)ｴﾍﾍ (2013年11月10日 14時) (レス) id: af6ce7423c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真珠 | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/bbs/sinnjunino
作成日時：2013年7月3日 0時
