あの日に戻れたら…… (ページ10)

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病魔ページ10

『(もう何も失いたくない……)』

かりんは志保利の病室で蔵馬を待っている。蔵馬が医者に呼ばれ部屋を出てから、数分がたっていた。

ガラッ

『秀一』

「緋花莉」

冷たい瞳なのに何処か切なげな表情。そして、抱きしめられる。その一連の流れで、かりんはすべて悟った。

「オレはどうしたらいいんだ……」

『あ、あと……』

「２ヶ月」

短すぎる。何をするにも時間が足りなかった。

「母さんを助けたい……けど方法が見当たらない」

『……探すしかないでしょ？諦めたら、おしまい』

その時のかりんは方法が思いつかないわけではなく、かりんの脳裏をそのたった一つの方法がよぎった。

“暗黒鏡”

霊界の闇側三大秘宝の一つだが、２人で盗むのはリスクが高い。

そして、暗黒鏡を使えば………

蔵馬は死ぬ。

それだけは阻止するために、かりんは他に志保利を助けられる方法を蔵馬と必死に探すのであった。