妖魔街 ページ27
「緋花莉」
教室に戻ってきた蔵馬がかりんに声をかける。
『秀一、どうしたの？』
「これから予定ある？」
『いいえ。どうして？』
少し蔵馬の声が小声になる。
「さっきコエンマからの使いが……」
そこまで聞くとかりんは状況を察したようで
『……場所を変えましょう』
と声をかけた。
空いている教室を見つけだし、2人で中に入る。
『それで、コエンマは何と？』
「幽助を手伝うために妖魔街に行ってほしいらしい」
『妖魔街……めんどくさい所……』
「どうやら奴らは街に魔回虫を放したらしい。幽助の指令は虫笛を壊すこと」
『なるほど……確かに彼一人じゃ荷が重いわね』
「ただ、手助けをすることで免罪も可能ということらしい。」
『理解したわ。要は、今から飛影を連れて妖魔街に行けばいいのね』
「ああ」
『そうと決まれば早く霊界へ向かいましょう。』
蔵馬は無言で頷いた。
2人は飛影と無事合流し迷宮城へ向かった。
妖魔街に入ると、城の正面では学ランを着たリーゼントの少年２人が腐餓鬼の集団に囲まれていた。
「おい！！こんな奴等にてこずってる様じゃ城に入ることすらできないぞ！！」
そう言って蔵馬と飛影とかりんは囲いを突破して２人の前に立つ
『ふたりじゃ大変でしょう？』
「手を貸そうか」
「！！なんでおめーら！？」
「……誰？」
桑原だけがその場の状況が理解出来ていないようだ。
「フッ…ま いわゆる社会復帰のための奉仕活動ってとこかな」
『君達に協力することで免罪も可能ということになっているの』
「そっかコエンマもイキな事をしてくれるじゃねーか
桑原 紹介すんぜ
飛影と蔵馬とかりん」
『「よろしく」』
「おう」
「蔵馬とかりんはどうか知らんが、オレが興味あるのは四聖獣に先盗りされた宝や妖具だ。貴様らに協力する気なんか全くないからな！」
「なんだ、コイツは？！ああ？！背丈の割にゃやけに態度でけーんじゃねーかコラ」
「なんだ貴様は。死にたいのか？」
「なにおォオ、コラてめーやんのかオイ！」
「やめろ、飛影。揉め事はこの仕事が終わった後だ。」
蔵馬にそう言われると、飛影はフンと鼻を鳴らして不服そうに従った。
長いトンネルのような所に着く。
「ここが入口か」
「やけに長いトンネルみてーな門だな」
「虎穴に入らずんば虎児をえーず
前進あるのみぁー！！」
一行は中へと入っていく。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 16人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：唯那 | 作成日時：2017年6月20日 20時
