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ーアヤー
『1,2,3 4,5…』
身体にリズムを刻み込む。
全ての音を吸収して何も考えずにひたすら踊る。
無心になれるこの瞬間が、1番楽しい。
『OK、じゃあ今日はここまで。始めの方は上手く動けていたけど途中、スヨンが前に出た時もたつく人がいるから注意すること。』
それだけ言い残して練習室を出て行ったダンスの先生。
その瞬間、一気に緊張が解ける。
ジヨン「お疲れ様でした〜」
それから何をするかは自由。
何も予定はないけど、とにかく喉が渇いた。
空になったペットボトルをリュックの中に押し込み、練習室を出た。
「…お疲れ様でした。」
誰も、私の声には振り向かない。
所詮、その程度の絆。
しばらく歩いていると見えてきた自販機。
水とお茶どちらにしよう…。
中々決めることが出来ず、指を行ったり来たり動かしていると、後ろから綺麗な誰かの手が伸びてきて、水の方のボタンを押された。
ゴトンー
「あ、」
直後に聞こえてきた声に、慌てて振り返った。
?「ホントにSMにいたんだ。」
そこにいたのは、
「こんにちは。…ジョンインさん、セフンさん。」
SE「オッパ、でしょ?」
EXOのマンネラインのお二人。
SE「今回はSMがプロデュース?」
「はい。前回はYGさんでしたので。」
JI「なるほど。だから大きな練習室は使えないわけか。」
「すみません、Luceが占領してます。えっと…そのぶん、カムバでちゃんと貢献するので…」
私の言葉を最後まで聞かずに、私の頭にポンと優しく手を置くジョンインさん。
柔らかく微笑むその表情に、唇を噛み締めた。
全て、見透かされているような気がしたから。
JI「俺らはそういう事が言いたいんじゃねーよ。」
SE「ま、無理せずにね。」
「ありがとうございます…。」
2人が優しく笑ってくれて。
やっぱりこの人達はすごい。
私がプレッシャーに押しつぶされそうなのを見抜いてる。
楽になりたいと、許されないことを口走ってしまいそうになった。
だから。
「それじゃあ、失礼します。」
逃げるようにその場を去った。
.
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アリサ - ジョングク (2019年7月17日 9時) (レス) id: d938d71082 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あやテテ | 作成日時:2019年7月13日 0時