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銀時side
この女はダメだ。沖田くんが可哀想になるくらい。
冷や汗をかいている女に「見合いすんぞ」と言い放てば、「ミアイ?」とカタコトでおうむ返しする。
さらに続けて口を開こうとするAを説き伏せるために、ソイツが喋り出す前に喋ろうとした瞬間。
俺の真横から、少女の声が割り込んだ。
「だめヨ、見合いなんて!」
『神楽…』
「おいおい、神楽チャン?あのな、今シスコン爆発させてる暇はねーの。お前の喧嘩相手が童貞貫いて死ぬことになんだぞ?」
「別にあんなヤツ今すぐ死んだっていいネ。寧ろ今から私が殺して、」
『神楽』
そんなにデカい声じゃなかった。だが、何故だか神楽はヒュッと息をのんで黙りこくる。
…こりゃ、なんか地雷踏んじまったか。
『殺すなんて、簡単に言うもんじゃありません』
その声色は、いつも通りだった。気味が悪ィくらいには。
神楽のことは、わりと知ってるつもりだ。ハゲ親父のことや、あのイカれた兄貴のことも。
しかし、コイツのことは、神楽と共に地球に来たAのことは、よく知らなかった。名前や夜兎であること、好きな食べ物、親がいないこと。まァ精々そんくらいだ。
様子を見る限り、神楽はコイツの過去や地雷を知っているんだろうが、無理にほじくり返そうなんざ思わねェ。そんなことしたらお姉ちゃん大好きな宇宙最恐種族にぶち殺されるわ。
取り敢えずこの嫌な雰囲気を壊さねェと、と今日も絶好調なうねりの髪に手を突っ込んで掻きむしる。
「あー、まァ、あれだ。まだお前18だしな、うん。別に無理する必要も、」
『え、別にお見合いしてもいいよ?』
「エッ」
『だって美味しいもの沢山食べれそうじゃん』
ねー神楽、とさっきの事を無かったものとして同族の少女に声をかけるA。
神楽も神楽で「ならタッパーも持ってくアル!」と無邪気に答えていた。さっきまで瞳孔かっ開いてた癖に、そんなデカい地雷だったか。
ならまァそこを避けるに越したことはない。
「お前らそこで1ヶ月分は食っとけよー」
『ていうかあちらさんが応じるか分かんないけどね』
「いや大丈夫じゃね?なんなら費用もあっち持ちな」
「Aと見合いすんならそんくらい当然ネ!」
「なんでアイツそんなにお前のこと好きなの?洗脳した??」
『ご自慢の銀髪全部むしっちゃうぞー』
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木菟(プロフ) - はっぱさん» はっぱ様ご愛読ありがとうございました!続きの方は続編で更新しておりますのでお時間ありましたらご覧いただけると幸いです! (2021年9月16日 11時) (レス) id: ce9f753194 (このIDを非表示/違反報告)
はっぱ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いですw更新大変だと思いますが、頑張ってください!応援してます!! (2021年9月14日 21時) (レス) id: c56a6257a1 (このIDを非表示/違反報告)
木菟(プロフ) - Runaさん» コメントありがとうございます!いえいえ、勿体ないお言葉です…拙い文章ですがご愛読いただけると幸いでございます!がんばります! (2021年8月23日 20時) (レス) id: ce9f753194 (このIDを非表示/違反報告)
Runa(プロフ) - なんですかこの神展開、、ありがとうございます応援してます!!更新がんばってくださいッ! (2021年8月21日 15時) (レス) id: f22b766baa (このIDを非表示/違反報告)
木菟(プロフ) - 雫さん» コメントありがとうございます!芋侍感や認識のすれ違い感を全面に押し出していきたいと考えております。ご期待に添えるよう頑張ります! (2021年8月18日 13時) (レス) id: ce9f753194 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:木菟 | 作成日時:2021年8月11日 11時