呪いの子、拾いました 3【五条悟】

タイミング ページ16

伏黒side




あれ………






俺、気絶してた…？







脳が段々と覚醒していった時








びちゃっと液体が床に溢れる様な音が聞こえた








そして、自分の前に人がいる





人…？







「A…！？」








「……はっ、ようやく…お目覚めですか






恵、くん………」








俺の前に立っていたのは






傷だらけで、身体のあちこちから出血しているAだった







「お、前……まさか俺を庇って…！」






「…そういうの……いいから。



ソイツを倒してからでいい。




僕のことは後にしろ。恵も死ぬ……ぞ…」








途切れながら紡がれた言葉が止まり、Aは糸の切れた人形の様に崩れ落ちた








「A？A、Aッ！！」







死んで、ないよな？






俺を庇って死んだりした、許さねぇからな









「……………そうだな。まずはオマエ(・・・)だ」






コイツを、倒す







ぶっ殺す








俺は、Aを守る為に







コイツを殺す








「やってやるよ…！！」





影の奥行きを全て吐き出す





具体的なアウトラインは後回し







呪力を練ったそばから押し出していけ









「_________領域展開







嵌合暗翳庭」







下から湧き出てくる影が、特級を蛙で引き摺り込む







「ハハッ！！」








不完全




不細工もいいとこだ








だが今は









コレでいい！！









俺は動きの止まった呪霊の顔面を蹴り、ダメージを与えていく






「広げろ……自由に_________」







式神を加えて更に攻撃しようとしたその時








目の前の特級呪霊は内側から凍り付けられて








一瞬のうちに破壊された









氷





としたらAか…？









ゆっくりと振り向くと








血で濡れた拳を握りしめたAが、口角を上げた






「………あ…り、がと………恵







時間稼ぎ…………な、いす」

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