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197.ひまわり畑 ページ47

 
 蝉が鳴き頻る道中を

 夏風と共に歩いている。


 今日は小野寺の墓参りに行くため、

 花を買いに行こうと花森花屋へ向かった。


 花森さんのところに着くと、

 お店の裏側にあるひまわり畑から大きな声が聞こえてきた。


「Aさ〜ん!大丈夫ー??」


 遠くの方から弥栄子さんの声が聞こえる。


「だ、大丈夫…ではないです〜!」


「あははっ!迷子になっちゃったかあ〜」


 Aの声と、店主の雄之介さんの笑い声が

 続けて聞こえてきた。


 花森家のひまわり畑はかなり広く、

 ひまわりは背丈を超えるほど大きくなる。

 視界を遮るくらい伸びるので、

 花森家は毎年ひまわり畑を使って迷路を作っていた。



 畑の外に立っていた雄之介さんが俺に気づいたので、

 俺は口の前に人差し指を立て、しーっと合図をした。


 Aを驚かそうと、静かにひまわり畑に入っていく。

 すると、近くで彼女の声が聞こえてきた。


「あれ〜?また行き止まり…」


 どうやら完全に迷ってしまっているご様子。
 

「…あ!花森さん!

 ここのひまわりは赤っぽい種類もあるんですね!」


 赤っぽいひまわり?

 そのようなものはあったか?と、考えていると、

 足音がこちらに向かって近づいてきた。


 いた!


 
 見つけるや否や、俺は彼女の手を掴んだ。


「見つけた!!」


「わっ!!杏寿郎さん!?」


「立派なひまわり畑だな!」


 驚いた彼女は口を大きく開けている。

 隙のある顔はずるいと思うほど可愛い。



「本当ですね。…杏寿郎さんは何故ここに?」


 彼女が不思議そうに首を傾げたので、

 掴んでいた手を今度は握り直して答えた。


「これから墓参りに行こうと思ってな!

 花を買いに来ていたのだ。」


「お墓参り…ですか?」


「ああ、小野寺のところへ。」


 Aは、すっと腕を伸ばすと、

 俺の髪の毛についた花びらをとってくれた。


「私もご一緒してもよろしいですか?」


「もちろんだ!きっと小野寺も喜ぶ。」


 手を差し伸べ、彼女がその手を取ると迷路から連れ出した。


 幼い頃から来ていて慣れているひまわり迷路からは、

 あっという間に外へと出られた。


「おっ!Aさん、出られたね!」


「さすが恋人ね。すぐに見つけてもらえたのね!」


 外へ出ると、雄之介さんと弥栄子さんが俺たちを見て

 優しく笑っていた。

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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます♡ いつもコメントくださり、本当励みになります!これからの煉獄さんサイドの展開もお楽しみくださいね! (2023年2月3日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - こんばんは。お疲れ様です☺︎すみません。私が早とちりしてしまいました。続きドキドキしますが楽しみにしてます。完結まで見守っていきますね!新作もその時はぜひ拝読させて頂きますね♪ (2023年1月25日 22時) (レス) @page50 id: 4bde5e03bb (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 美桜さん» 美桜さん、ありがとうございます♡ 私の書き方が悪くてすみませんが、続編はなく完結いたします!次に移行するという意味でした…!ただ、まだ確定ではありませんが、新作を少しずつ考えていますので…いつかお知らせできるといいです💭 (2023年1月24日 19時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - 更新お疲れ様です!いよいよ完結ですね。最後まで2人の物語を見守っていきます。続編もあるとのことでそちらも楽しみにしてますね☘ (2023年1月23日 22時) (レス) @page49 id: 4bde5e03bb (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 美桜さん» 美桜さん!コメントありがとうございます。こちらこそ、本年もよろしくお願いいたします!更新を待ってくださる方が一人でもいてくださることが本当に幸せです。これからも、ときめく物語をお届けしていきますね! (2023年1月6日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年9月6日 22時

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