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196.※結んだ糸 ページ46

※ 甘々なお話です




 Aの浴衣の帯を素早くほどき、

 あっという間に彼女の素肌が露わになる。


「…ずっと触れたいと思っていた。

 情けないことに、叶うことなら君ともう一度…と、

 何度も心で願ってしまっていた。」


 君を見つめる俺の瞳は熱で溶けてしまいそうなほどだ。

 Aを瞳に閉じ込めたまま、彼女の身体を撫でた。



「…それは私も同じです。

 もう二度とないと思っていました。

 それでも杏寿郎さんに触れたくて…

 触れて欲しくて…

 自分の欲深さに驚き、浅ましいとさえ思いました。」



 俺はAの下唇を親指でなぞって伝えた。



「…浅ましくなどない。

 君にそう思われるのが俺で、心から嬉しく思う。」



 Aは俺を優しく微笑みながら見つめ、

 俺の頬を両手で包んで「私は幸せ者です」と言った。



「俺はもっと幸せ者だ。

 今宵は日が昇るまで眠らせやしない。…覚悟はいいか?」



「…え?」



 驚いている彼女をよそに深い口づけを落とし始め、

 キスをしながら自身のシャツを脱ぐ。


 肌の上にまとわりつく一枚のシャツさえも鬱陶しく感じる。


 しっとりと汗ばんだ肌は気持ちをより高揚させていった。



 再び燃え盛った君への炎はどうもおさまりそうになく、

 久しぶりの感覚に溺れそうになっていく。



 夜が深まる静かな闇の中で二人の熱い吐息が混ざり合う。



 俺が彼女の名前を呼び、愛していると囁くと、

 Aが吐息混じりに何か言おうとしていることに

 気がついて動きを止めた。



「…あ」


「あ…?」


「…愛して…る…」


 呼吸を荒げながらも懸命に告げる姿が愛おしい。


「…君の…そんな可愛い声も、艶やかな顔も…

 見せるのは…俺だけであって欲しい…」



 次第に彼女が吐息を、声を、漏らさなくなった。

 どうやら気を失ってしまったようだ。


 俺は静かに目を瞑る彼女の頭を優しく撫でた。






 しばらくすると、んっと声を上げてAは目を覚ました。


「…気が戻ったか?」


「…ん?…んあっ」

 
 一層甘く響く彼女の声。

 俺は狙っていたんだ。

 A、君に魅せられて俺はこうも欲張りになる。



「…君の気が戻るまでそのまま待っていたんだ。」


「杏寿郎さんは、大人すぎます…私には刺激が強すぎる…」




 夏の夜、数多の星が煌めく空の下。

 再び結びついた二人は日が昇る頃にようやく眠りについた。

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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます♡ いつもコメントくださり、本当励みになります!これからの煉獄さんサイドの展開もお楽しみくださいね! (2023年2月3日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - こんばんは。お疲れ様です☺︎すみません。私が早とちりしてしまいました。続きドキドキしますが楽しみにしてます。完結まで見守っていきますね!新作もその時はぜひ拝読させて頂きますね♪ (2023年1月25日 22時) (レス) @page50 id: 4bde5e03bb (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 美桜さん» 美桜さん、ありがとうございます♡ 私の書き方が悪くてすみませんが、続編はなく完結いたします!次に移行するという意味でした…!ただ、まだ確定ではありませんが、新作を少しずつ考えていますので…いつかお知らせできるといいです💭 (2023年1月24日 19時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - 更新お疲れ様です!いよいよ完結ですね。最後まで2人の物語を見守っていきます。続編もあるとのことでそちらも楽しみにしてますね☘ (2023年1月23日 22時) (レス) @page49 id: 4bde5e03bb (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 美桜さん» 美桜さん!コメントありがとうございます。こちらこそ、本年もよろしくお願いいたします!更新を待ってくださる方が一人でもいてくださることが本当に幸せです。これからも、ときめく物語をお届けしていきますね! (2023年1月6日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年9月6日 22時

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