アヤメのハンカチ【煉獄杏寿郎】

10.組織として ページ10

「坂田、おはよう！

　この前の歴史のテスト、よく出来ていたぞ！

　丸付けしてあるから後で君に返そう！


　それと、俺は2時限目は空きだから、

　その時間は歴史の授業をしようか！

　冨岡先生には昨日伝えてある。

　学習室が空いていると思うから、そこに来てくれ！」


　俺が目線を合わせて彼に話しかけると

　少しだけ微笑んで話してくれた。


「…はい。俺、歴史は好きなので。

　先生の作るテストも面白くて、解いていて楽しいです。」



「そうか、それは良かった！

　では、俺は授業に戻るな！」



　
　保健室登校の対応は

　つい養護教諭に頼りっきりになってしまう。


　養護教諭にも日々の業務があるわけで、

　彼につきっきりというわけにはいかない。


　他の来室者もいるだろうし、

　きっと個人情報を扱う仕事も少なくないだろう。


　それに、環境を少しずつ変えることは

　坂田にとってもプラスな働きになると思う。


　だから、俺は担任の冨岡に相談しつつ、

　なるべく坂田を保健室から上手く違う教室へと

　連れ出すことを心がけている。


　もちろん、本人の気分が乗らない時は無理強いはしない。



　今後、坂田がどうなりたいのか、どうありたいのか、


　本人やご家族の意向も踏まえて


　学校全体で考えていく必要がある。


　これは担任、養護教諭だけの問題ではないからな！


　組織は互いに支え合わなければならない！

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