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9.保健室の来室者 ページ9

「心です!先生!こ・こ・ろ!」


 これは…我妻少年の声だな。


「心が痛いのね〜。何があったのかな?」


 君の柔らかい声が聞こえる。

 丁寧に話を聞こうとしているのだな。


「炭治郎がひどいんです。

 俺はただ禰󠄀豆子ちゃんと

 テスト勉強したかっただけなのに、

 善逸はそれだと集中できなくなるし、

 禰󠄀豆子ちゃんも困るからやめろって

 聞いてくれないんです〜!」



「そっか〜。お互いのために良い方法はなんだろうね…」


 Aが宇髄に内線を入れようとしたので、

 保健室に入り、プリントを入り口近くの棚に置いて

 声をかけた。


 

「テスト勉強は己と向き合うものだ!

 分からないところがあれば、聞くのも良いが、

 ずっと一緒にいる必要はないだろう!

 彼女にとってどの環境が良いのか

 本人の気持ちを聞いてみるのが1番だな!」


「れ、れ、煉獄先生!?なぜここに!?」


 俺に気づいた二人は目を丸くして驚いている。


 Aは内線をかけようとしていた手をそっと下ろした。


「たまたま授業で使うプリントを

 職員室に取りに行こうとした時に、

 隣のクラスの宇髄が

 我妻がトイレから戻ってこないから

 探してきて欲しいと頼まれてな!

 トイレにいないものだから保健室かと思って

 見にきたところだ!」



「ちぇっ!あの派手派手先生め!(小声)」



「我妻少年!戻るぞ!

 先程の話なら、後で俺が相談に乗るとしよう!!」


 少しだけAを見ると、

 彼女は優しく微笑んでいた。


 その笑顔を見るだけで、

 胸がギュッと苦しくなる。

 


 
 俺はこの胸を鎮めるようにと


 足早に我妻少年を引き連れて保健室を出た。




 しかし、我妻少年を宇髄に引き渡した後、

 俺はせっかく職員室に取りに行ったプリントを

 保健室に置いてきてしまったことに気がついた。



「やってしまった!!

 俺としたことが不甲斐ない!!」


「あ?大丈夫か、煉獄?」


「うむ!問題ない!こちらの話だ!」


「まあ、とりあえず我妻の件、助かった!」




 俺は保健室まで急いで足を運んだ。





「A先生!すまん!保健室に忘れ物を…」


「…あ、プリントですね!どうぞ!」

 
 Aの隣にいるのは…


 最近、教室に入れなくなってしまい、

 保健室登校をしている坂田という生徒だった。


「ありがとう。」


 俺はAに礼を言うと、坂田の元へと歩み寄った。
 

10.組織として→←8.少年の行き先



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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - misakimiさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!様々な行動の裏の心情が少しずつ見えてくるかと思います!お楽しみくださいませ(*˙˘˙*) (2022年1月8日 13時) (レス) @page43 id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 煉獄さんの、自分の心の動きについていけてない純朴さたっぷりの初々しさよ。今日も素敵!一週間のご褒美戴きました! (2022年1月7日 22時) (レス) @page42 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - misakimiさん» 読んでいただけて嬉しいです!辛く悲しい気持ちがありつつも、彼女への愛は変わらないのです。彼の心情の変化を追いながら物語を楽しんでいただけたらと思います!いつもありがとうございます( ˊᵕˋ ) (2022年1月1日 16時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 大正時代の煉獄さんの心の動きが、はっきり分かりますね!今後、惚れていく訳ですから、読み返すと、更に煉獄さんの辛さが際立ってしまうのでしょうね。今から泣けそう。 (2021年12月31日 19時) (レス) @page34 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 前回コメントしてから時間無く、今日15話。うっわ〜、苦しい。煉獄さんの心情を慮ると、涙。愛を誓った人に知らない人扱いされる絶望感。怖いでしょうに、それでも前を向いて、進もうとするのですね。 (2021年12月31日 19時) (レス) @page15 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年12月13日 19時

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