無意識って凶器 ページ13
銀八side
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いつもの朝、バス停へ行くとあの姉ちゃんと目が合った。そのままにすんのもアレだから俺は
「よ、姉ちゃん」
と片手を上げ、軽い挨拶をした。すると姉ちゃんは渋い顔をしながらではあるが
『あー…おはようございます』
「おはようさん」
俺はそう言うと、姉ちゃんと肩を並べて列に並んでバスを待つことにした。…が
『一発殴らせてください』
「…は?」
いきなりこっちを見上げて真顔で言う姉ちゃん。え、何なに!!? 銀さんなんかしたっけェ!?
『良いから黙って殴られてくださいよ』
「え、ちょっと待ってェ!! 何でだよ!!?」
俺は防ぐ暇もなく、姉ちゃんからの右ストレートを受けた。…普通に痛ェ。
『、、何で避けないんですか?』
「それお前が言うかよッ!!」
俺が殴られた頰をさすりながらツッコミを入れるが、姉ちゃんは不思議そうに考え込んでいる。その後、何か思いついたのか、あ、と呟きを零した。
『ーーー優しいんですね、先生は』
「…え、」
姉ちゃんはそれだけ言うと、気が済んだかのようにさっさとバスに乗り込んで行く。ーー…不意打ちはズリィだろ、さすがに。
「お客さん、早く乗車してください」
「あ、あぁ」
俺は、未だ引く事のない熱を手で仰ぎながらバスに乗り込んだ。
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作者名:こう | 作成日時:2018年4月19日 19時