真っ白な雪のように ページ5
(...坂田、銀時...の、ショタ)
門に寄りかかって不審そうに私を見る目付きの悪い子に私が怯えたと思ったのか、桂は私の背中をそっとさすった。怖くないよ、と言われているような気がして、一人っ子のはずなのにお兄ちゃんみが強いなと感心してしまった。
さすが神童と呼ばれるだけある。人間性も尊敬できるだなんて。
「銀時。高杉の妹、Aだ。A、これは銀時」
「こんにちはー!」
桂が私の紹介をする。だから私は元気に片手を上げて挨拶をした。
私は高杉みたいに他人に興味がない系のキャラじゃないよ、と分からせるために。まあそんなこと、この子にはどうだっていいかもしれないけど。
それより私は彼の綺麗な白髪に心惹かれていた。ちょっと見開かれた深紅の瞳にも。
「アイツの妹? 妹なんざ居たのかよ」
「うん、居るの」
「...で、それが何でここに?」
彼は警戒を解いてくれないようだ。
けれどまあ、別にいいだろう。だって、会ってみたかっただけだし!
あとは松陽先生だけだ。一番会ってみたい人だったりする。
「お弁当持ってきたの!」
「お弁当...?」
「うん! 食べよ!」
そう言って目の前に包みを掲げれば、彼のお腹がきゅるっと音を立てた。おや。
「お腹減ってるの? ...銀時、お兄ちゃん」
「おに...ッ!? い、いや、別に...ただちょっと松陽から昼飯抜きにされてるだけで...」
「高杉と喧嘩したからな。ちなみに高杉も昼飯抜きだ。ちょうどよかったな、A」
「そっか。じゃあ、みんなでお弁当食べようよ!」
あんまり気にしてない風を装っているけど、目線はお弁当にしかいってない。うーん、可愛いな。
いっぱいつくってもらって良かった。
高杉が昼御飯抜きだったのは想定外だったけど、これは持っていったら兄からの好感度も上がるのでは? なんて企む私も出てきた。
「仕方ねェな、食ってやるよ...」
「わぁい行こう、銀おにい...ううん、銀ちゃん!」
「は?」
「銀時お兄ちゃん、縮めて銀ちゃん! これで行こう!」
かくして私は計画通り好きなキャラたちに会うという目標を達成していった上に、銀ちゃんと初めて呼んだ人間になったのだ。
後者は完全に想定外だったけど。
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ライム - おもしろいです!更新楽しみに待ってます!! (2019年9月1日 21時) (レス) id: ee1104400e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:総悟13(低浮上) | 作成日時:2019年8月8日 21時