【銀魂3z?】押してダメなら壊してしまえ【神威】

50話【堕天使】 ページ5

.



必死に立ち直ろうと、この状況から進展させようと考えていたのに、勝てないかも知れない相手に私は再び倒された。顔面に重たい一発を食らわされた。
脳内ではレフェリーの大きな声が隣で聞こえている。相手は勝利を確信している筈だ。

元々百ある人間が0になることなんて、余程のことが無い限り起こらないと勝手ながら思っている。
私は百ではない。でも0でもない、と･･･信じたい。



「･･････うぅ」



今日何度目かの声にならない声を漏らした。
たとえ0じゃなくてもその差は計り知れない。
勝てない理由は何だろう。私が勝てない理由はどこにあるのだろう。

そう考えると"幼馴染み"という近過ぎる関係が原因のような気がしてならなかった。昔から居るからこそ、離れられないこの関係。唯一あの子に邪魔されないこれに私が優越感なるものを感じているのもあるのだと思う。



「･･････これだ」



時には武器に変えられる可能性がある幼馴染みという枠。けれど私は神威さんが好きだから。大好きだから。
幼馴染みなんかで終わりたくない、そんな感情があることだって、事実なのだから。

勝負は、勝てないからこそ面白いって何処かの誰かさんが言っていたような気もする。誰だって良い。言ったその誰かに今は感謝だ。



「･･･やってやろうじゃないの」



･･････壊して、やろうじゃないの。

やる気が漲ってきた私にやれないことはない。････････････多分。



.

51話【総悟13】→←49話【総悟13】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す