【銀魂3z?】押してダメなら壊してしまえ【神威】

65話【総悟13】 ページ20

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　ぺろり、と口の回りのソースを舐めてから、神威さんは私に視線を向ける。


　「阿伏兎は？」

　「えっ」


　何でですか。なぜ私よりあのおっさんを求めるのだ神威さん。
　「知りませんよ」と頬を膨らませながら返せば、「ふうん」なんて。

　････････････無言。


　ここで私はあれ、と気付く。
　なんだか、あの、少し･･････気まずい？ 前はもうちょい会話が続いているような気がしたんだけれど。ひく、と顔がひきつる。

　「か、神威さん神威さん」と私はむりやりに名前を呼ぶ。


　「なに？」

　「････････････あー、えっ、と」

　「･･････なに？」


　やったった。やらかしたった。
　さらに気まずい空気にするなど、世界のムードメーカーAちゃんと呼ばれた私、一生の不覚。


　「――――･･････あ！ おいしいですか！？」

　「･･････んー」

　「神威さん･･････？ どうかしましたか？」

　「･･････あのさ、こっちの台詞なんだけど」


　焼きそばパンの袋をポケットに突っ込んでから、神威さんは顔をしっかりこちらに向ける。
　･･････あれ、シリアス？ これ。


　「神威さん、今日なんか変ですよ！ まあ素敵ですけども！」

　「変なのはお前だろ。いつもだけど」

　「ひどっ！？」


　明るい雰囲気にしようと頑張っても、なんだか空気は重い。


　「･･････なに急に意識してんの？ なんか悩みでもあんの？ 俺に後ろめたいことでもあんの？」

　「いや、いやいや神威さ」

　「シンスケ？ それとも白髪のセンコー？ ねえ」

　「神威さん！？」

　「･･････ねえ」


　――――俺のこと、見てないだろ。

　その言葉が、うるさいここに、冷たく静かに響いた。
　私の顔は、今、どんな顔だろう。

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