8.衝撃 ページ8
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扉を開けると見たことのない世界が広がっていた。
「笑っちゃうな、悲劇のヒロイン気取りかい?こっちは大切な恋人を奪われたんだ、取り返しにくるのは当たり前だろ?」
「だからといって、殺すことはないだろ!!彼女は死んだんだ、お前の元にすらもういない」
「〜〜」
『...すごい、これ全部即興劇なの?』
隣の万里くんに小声で話しかける。
「ああ、すげぇだろ。今やってんのは千景さんと真澄だな、どっちも演技力が高い」
『なるほど....』
昨日みた真澄くんとはまるで別人だった。
演技ってこんなに人を変えるんだね。
「ちょっとストップ。真澄くん、千景さんに被っちゃってる。それじゃ観客から千景さんの表情が見えないよ?」
「..ごめん」
「はは、真澄は夢中になると前に乗り出す癖があるみたいだね」
「監督さん、キリがいいから1度休憩にしない?」
と千景さん。
「そうだね、じゃあ今から10分休憩にします」
「はーい...ってあれ、万里とAじゃん。見学?」
「至さん。Aが演劇に興味あるらしくて」
「ほう?」
『至さんも別人でしたね。普段は声小さいのに..あんなに大きな声が出せるとは思いませんでした』
「まぁ、監督さんに何度も言われたからね」
『なんだか意外です、至さん2次元にしか興味無さそうなのに』
「はは、まぁ最初はそうだったけどね。ここ入ったきっかけも、寮付きだったからだし」
ぎく。
わたしもそうだけど...。
『演技楽しいですか?』
「....楽しいよ」
『...ふぅん』
至さんが笑ったところ、初めてみた。
そんなに面白いのかな。
こっそり演劇のワークショップを調べてみた。
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作者名:てんす | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/bbs/t%3A%E3%81%82%E3%82%84%E3%81%93%E3%81%AE%E3%83%9B%E3%8...
作成日時:2019年2月18日 18時