Guiltyroad【罪の道】 (ページ8)

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俺は人混みが苦手…嫌いだ。
なのに、何だ！この大学は！！
意味が分からん！
人が多過ぎるぞ！！

俺は、パーカーのフードを深く被り、教室へと向かった。

「キャァァァア！！」
「今日もカッコイイわ！」
「あの冷たい視線がCOOLだよね！！」
「ホントそれな！」
「…あぁ、あの視線に睨まれたい！！」

時折聞こえる、女子の黄色い声

あぁ…うるさい、うるさい。
誰だよ！モテてる奴！
…クソっムカつく…！！

俺はムカつくモテ男を睨んでやろうと、女子の声が聞こえる方を向いた。

「えっ！うそっ、コッチ向いたァァァ！！」
「あの、フードの下が拝めるなんて…！」
「キャァァァア！！」

…What?

？？？男が居ないぞ。

…しかも、フード？

俺は周りを見る。

おい、俺しかフードが居ないぞ。

え…あの女子達は、いったい誰に声援を？

《…いや、What?じゃないでしょ。…ご主人でしょ。どーみても！！》

ぎゃぁああ！！

いきなり目の前に現れたベル。

肩を見ると、さっきまで蝶だったベルがいなくなっていた。

「…い、いきなり人の形になるなよ…。」

…俺、絶対寿命縮んだ。

《だってぇ～ご主人がアホ…というか、天然過ぎて！！あのまま笑ってるのも良かったんですけどね～。やっさしぃ～！ベルちゃんは、教えてあげてるんですよ！！》

「え…？つまり…？」

《んもぅ！だ、か、らぁ～！あの黄色い声は、ご主人に向かってなんですよ！！ちゃぁ～んと、周りをよく見てくださいぃ！》

ふぇ…っ！？

ベルの言う通り、俺は周りをよく見た。

見てみると、俺の周りには女子が固まっていた。
人が多いと感じてたのは、俺の周りにしかいなかったから。
俺がスルスル通れたのは、そんな女子達が、俺の道を空けてくれたから。

「ま、まじか…。」

《マジですよ！》

つまり…これって！俺！モテてる！？

前世でモブだった俺がモテている！！
ふぉぉぉぉぉぉ！！

俺が！！

モテてる！！！

し、信じられない。でも…本当だ。

生まれ変わり最高！！
今世ありがとう！！！

俺は、天の神様にお礼を言いながら、教室へと向かった。

だって…ホラ、モテるのは良いけど、人苦手だもん。

うぅん！！生まれ変わりって良いねぇ！！